これから日本を巡る空気が一変する
【ストラテジーブレティン(282号)】
日本の突出したコロナ禍の経済負荷、心理要因が大きく
OECDは5月31日、世界経済見通しを改訂し、2021年は5.8%、2022年は4.4%と2020年の落ち込み-3.5%からV字型でリカバーする展望を示した。各国の2021年GDP見通しも軒並み上方修正、米国は昨年12月時点の3.2%から二段階で上方修正され6.9%になった。この中で唯一日本だけは2.6%へと3月時点から 下方修正され、2022年の見通しも2.0%と、ユーロ圏(4.4%)、米国(3.6%)のほぼ半分の低成長と予想されている。コロナ感染による健康被害は先進国 で突出して低い 日本がなぜこれほどの経済被害を受けるのか。健康被害を米国と比べると、100万人当たり累積感染者数は10万人に対して6千人、累積死者数は米国1800人に対して104人といずれも米国の16分の1に過ぎない。ワクチン接種が遅れているとはいえ、この極端な格差はただ事ではない。東 京 大 学の 渡辺 務 教授は健康被害と経済被害の著しいギャップはもっぱら感染に対する恐怖心による活動の抑制にあると分析している。ロックダウンなど政府による行動規制は日本が著しく緩いのであるから、原因は自粛に違いない。
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