ニューノーマルと化した米中覇権争い、日本株にチャンスが

2019/10/15

【ストラテジーブレティン(235号)】

(1) 米中貿易一時休戦、米国からの威圧強烈

一時休戦は米国の狙い通り
トランプ政権は中国農産物輸入(米国側は400~500億ドルと発表)と引き換えに、上乗せ関税を棚上げした。(第1~3弾2500億ドル分の対中輸入に対して25%かけていた関税を10月から30%に引き上げるとしていたものを棚上げ)。中国からの不公正慣行是正の約束なし、トランプ譲歩、腰砕けとの論評もなされている。確かに選挙前の手柄を買いたい姿勢を見抜かれ、小さな獲物で一時休戦したように見える。しかし、米国は何の犠牲も払っていない。中国の譲歩が不十分なら1~3弾分の上乗せ関税の復活、第4弾(2700億ドルに対して15%課税)で未実施分1600億ドルに対する課税実施、など脅迫の手立ては残している。結局、中国は折り合い、11/16、17日に予定されているチリAPECでのトランプ・習会談で正式署名という段取りが想定される。

主導権は米国サイドに
交渉の主導権は米国側にある。基本的対中要求は全く取り下げていない。今後も中国の出方次第では、関税率の引き上げというペナルティを続々打ち出すことができ、その上限は無限である。中国が譲歩しないとして制裁関税を100%、200%と引き上げれば、米中貿易は激減し、中国経済は直ちに破綻、米国経済も供給不足と関税により大幅な財のインフレ(但しこれは一時的なもの)が起きる。

よってペナルティの限度は、米国経済と市場が大打撃を受けない範囲と予想される。但しここ一年の経験から相当ペナルティを上げても米国経済と株価への影響は軽微と観測が成り立つ。25%関税でも、NY株価は史上最高値近辺を維持し、2020年リセッションの影もないのである。

>>続きはこちら(758KB)

株式会社武者リサーチ
武者ストラテジー   株式会社武者リサーチ
「論理一貫」「独立不羈」「歴史的国際的視野」をモットーに、経済と金融市場分析と中長期予想を目的とし提供していきます。
著作権表示(c) 2013 株式会社武者リサーチ
本書で言及されている意見、推定、見通しは、本書の日付時点における武者リサーチの判断に基づいたものです。本書中の情報は、武者リサーチにおいて信頼できると考える情報源に基づいて作成していますが、武者リサーチは本書中の情報・意見等の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。かかる情報・意見等に依拠したことにより生じる一切の損害について、武者リサーチは一切責任を負いません。本書中の分析・意見等は、その前提が変更された場合には、変更が必要となる性質を含んでいます。本書中の分析・意見等は、金融商品、クレジット、通貨レート、金利レート、その他市場・経済の動向について、表明・保証するものではありません。また、過去の業績が必ずしも将来の結果を示唆するものではありません。本書中の情報・意見等が、今後修正・変更されたとしても、武者リサーチは当該情報・意見等を改定する義務や、これを通知する義務を負うものではありません。貴社が本書中に記載された投資、財務、法律、税務、会計上の問題・リスク等を検討するに当っては、貴社において取引の内容を確実に理解するための措置を講じ、別途貴社自身の専門家・アドバイザー等にご相談されることを強くお勧めいたします。本書は、武者リサーチからの金融商品・証券等の引受又は購入の申込又は勧誘を構成するものではなく、公式又は非公式な取引条件の確認を行うものではありません。本書および本書中の情報は秘密であり、武者リサーチの文書による事前の同意がない限り、その全部又は一部をコピーすることや、配布することはできません。