史上初の日経平均株価6万円達成

本日(4月23日)東京株式市場の午前の取引で日経平均株価は史上初の6万円の大台をつけた。日経平均が6万円をつけた…。その次の言葉が出てこない。日経平均6万円。だから、どうした、というのだ。

日経平均が6万円になったからと言って、レポートを書くつもりはなかった。会社から「書いてくれ」と言われて渋々書いている。筆が走らないのも無理はない。そもそも日経平均が6万円になったことに意味があるのか。大台をクリアしたから、節目だから、との理由はあるかもしれない。しかし、それでも6万円というのは、そんなにキリの良い「節目」なのか。

やっぱりキリの良い「節目」とは、1万円、3万円、5万円だろう。実際、日経平均が3万円や5万円になったときは、それなりのお祭りムードもあったものだ。しかし、6万円というのは、なんか、パっとしない。「6」が素数ではないからか。1、3、5は素数だからキリがいいのだろう。

いや待て。その理屈でいうなら6万円はだめでも7万円ではいいことになる。もっとおかしいのは日経平均が10万円になっても素数じゃないから無視して、素数である11万円を祝うことになるではないか。

日経平均6万円でも盛り上がりに欠ける理由

まあ、冗談はこれくらいにして、ここから真面目な話をすると、日経平均6万円でも祝祭的な盛り上がりに欠けるのは、これが「日本株高」を意味しないからである。日経平均が6万円をつけたのは取引開始直後、一瞬のことだ。その瞬間のTOPIXは前日比ほぼ横ばいだった。日経平均は半導体関連など、いわゆるAI銘柄が押し上げて反発して始まったが、そのほかの主力銘柄は買われていない。今朝の日経平均6万円は米国のSOX指数16連騰に象徴されるAI相場に連れ高して瞬間的に示現したもので、日本株全体は買いの熱気からはほど遠いのが実態だ。

日本を代表する製造業の雄、時価総額最大のトヨタ自動車(7203)が続落し年初来安値を約3週間ぶりに更新したことが象徴的だろう。そのほか、日銀利上げ期待の後退で銀行株も安い。サービスセクターや小売株にも下げが目立った。東証33業種中、上昇しているのは鉱業だけである(4月23日前場終了時)。

日経平均こそイラン戦争前の水準を回復し、最高値をつけたが、TOPIXはイラン戦争前につけた高値から直近安値までの半値戻しの水準にとどまる。原油価格の高止まりでこの先の経済や業績の見通しが不透明ななか、これから決算発表が本格化するこのタイミングで積極的に株を買いに走れるのは投機筋だけだ。まっとうな機関投資家は様子見を決め込んでいる。

日本株の投資家は冷静であることの証左で、むしろそれは評価に値することかもしれない。

6万円のその後「株はずっとあがるもの」

日経平均6万円それ自体にニュースバリューはない。日経平均が6万円をつけたその日にTOPIXは3日続落で、日本株相場全体の盛り上がりに欠ける1日だった  – このことこそニュースであり注目すべき点である。相場を見る目はそうやって養われる。

今日は取引時間中に一瞬つけた6万円だったが、そのうち終値でも6万円を固めてくるだろう。そして7万円にも8万円にもなる。それは自明のことだ。なぜなら(みなさん、ご唱和ください、せーの)

株はずっとあがるもの

だからである。ご唱和ありがとうございました。(楠木先生、パクってごめんなさい)

出所:株はずっと上がるもの 誰も書けなかった株式投資の真実 著:広木隆
発行:日経BP

なので、この先、10万円になるまで、お祝い的な、はしゃぎ方はやめませんか?いい大人なんだから。

その代わり、10万円になったら、盛大に祝おう。日経平均は2032年に10万円になる。

無論、11万円と13万円も盛大に祝おう。「11」と「13」は素数でキリがよいからである。