FM 今週のポイント(8月8日)

2016/08/08 <>

*割安株の逆襲は続くのか?、債券代替投資は終わったのか?、日銀は9月の会合で金融緩和政策を修正するのか?⇒先週は?がたくさん有り、マーケットは大混乱に陥りました。日経平均株価は週間で314.82 円(1.9%)下落に留まりましたが、これまで安定的に推移していたグロース株が急落しました(TOPIX グロースは3.61%、TOPIX スモールグロースは5.08%下落)。ただ単純なリバーサルが発生しただけではなさそうです⇒特に注目を集め話題になった銘柄が(2269)明治HDです⇒明治HDと言えば、債券代替投資(最小分散戦略)の代表的銘柄だからです。明治HDが3日に発表した2016 年4~6 月期の経常利益は218 億円となり過去最高益を更新しました(ほとんどのアナリストが最高位の格付けをしている)が、先週1週間で約12%下落しました。ただ単に買われすぎの反動なのか?⇒マーケット参加者は穿った見方をするのが常⇒9月の検証で日銀が金融緩和策を一部縮小する可能性(マイナス金利政策の撤廃、CPI2%目標達成時期のフレキシブル化等)、金利が上昇に転じる可能性(先週は10 年債利回りがマイナス0.193%からマイナス0.1%に急騰)等々、積み上げすぎた債券代替投資の縮小を連想したようです。

*気が付けば今年に入って急落したバリュー株、1Q決算は想定通りに悪い内容ながら、何故か良く見えてしまいます(円高、新興国の景況感悪化の影響を悲観していたトヨタ自動車が4日発表した2016 年度通期予想は、ドル円相場102 円前提で連結営業利益が前期比44%減の1兆6000億円(1000 億円下方修正)となったが、5日の株価は一時4%上昇した)。1Q業績イベントもバリューシフトの要因になっています。

*そして日銀が7月末に決定したETF6兆円購入(従来の3.3 兆円から増額)もバリュー株復活を後押しした格好で、日経平均株価寄与度が高い銘柄が軒並み上昇しています((9983)ファーストリテイリング、(6857)アドバンテスト、(6976)太陽誘電、(6762)TDK 等)。

*そして見逃せない要因がHFです。9月末解約の場合、8月15 日前後までにキャッシュ化を迫られます。通常のロングショート戦略の場合、バリュー株をショートしてグロース株をロングしています(特に小型グロースロングが多い)。当然、キャッシュ化に伴うアンワインドはバリュー株の買い戻し、グロース株の転売になります。このオペレーションの影響は特に小型株に現れます⇒1Q業績が好調でも連日大幅な下落を続けている銘柄が夥しく出現しています。HFの影響は今週中に終了すると思われ、好業績小型グロース銘柄が不当に売り込まれた場面はエントリーすべきだと思います。

*本当に日銀は戦線を縮小するのでしょうか?。CPI2%目標をうやむやにしてマイナス金利付き量的・質的金融緩和を変質させることは無いと考えます。政府が財政出動を拡大させる時機に(相当な期間続く可能性、そして世界的な流れ)金利をあえて上昇させる政策を採ることは無いと思います。本当のバリューの逆襲は明確に円安トレンドが発生してからだと考えています。グロースの早期復調の可能性が高いと思います。

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