FM 今週のポイント(5月30日)

2016/05/30

*膠着相場が続いています。東証一部の売買代金は先週末まで7日連続の2兆円割れを記録しています(昨年12 月以来)。膠着の理由は多々あります⇒(1)伊勢志摩サミット後の政策発動を見極める、(2)6月の米国利上げを見極める、(3)6月23 日投票の英国のEU離脱の是非を問う国民投票の結果を見極める、(4)7月の参院選(衆参同時の可能性も)の結果を見極める等々、小さなものまで上げれば限りがありません。結局、現状の17000 円手前が居心地の良い水準だということでしょう。現時点の業績予想(17 年3 月期)、為替水準・方向性、内外需給、政策期待等のマトリックスから、当面は16500 円から17500 円のレンジと判断する投資家が多いようです。

*伊勢志摩サミットの首脳宣言が公表されています。宣言における最大の注目点は、言うまでもなく安倍首相が誇ったG7伊勢志摩経済イニシアチブです。以下、重要なポイントを抜粋します。世界的な成長は、低成長のリスクが残る中、依然として緩やかであり、かつ、潜在成長力を下回っている。世界経済の回復は続いているが、成長は引き続き緩やかでばらつきがあり、また、前回の会合以降、世界経済の見通しに対する下方リスクが高まってきている。安倍首相がサミット1 日目のプレゼンで指摘した危機へ陥るリスクに対応する記載には、「世界的な成長は、低成長のリスクが残る中、依然として緩やかであり」とマイルドな表現が用いられています(安倍首相は26 日の会議で「参考データ」まで用意して、政策対応を誤ればリーマンショック級の経済危機が発生すると訴えたようですが、各国首脳には通じなかったようです)。なお、世界経済に関して「前回の会合以降、世界経済の見通しに対する下方リスクが高まってきている」との記載がありますが、これは前回の2015 年6月サミット時点との比較であり、大方の首脳の認識は、年初に比べれば世界経済は安定しつつあるというもののようです。非経済的な由来による潜在的なショックが存在する。英国のEU からの離脱は、より大きな国際貿易及び投資に向けた傾向並びにこれらが生み出す雇用を反転することになり、成長に向けた更なる深刻なリスクである。英国のEUからの離脱、すなわちBrexit に関しては「成長に向けた更なる深刻なリスク」という極めて強い表現を用いて懸念が表明されています。英国のEU離脱支持派に対する国際的な圧力が高まっているとの印象を受けます。世界の成長は、我々の喫緊の優先事項である。我々は、国別の状況を考慮しつつ、強固で、持続可能な、かつ、均衡ある成長軌道を速やかに達成するため、我々の経済政策による対応を協力して強化すること及びより強力な、かつ、均衡ある政策の組合せを用いることにコミットする。我々は、債務を持続可能な道筋に乗せていくための取組を継続しつつ、世界的な需要を強化し、供給側の制約に対処するため、全ての政策手段―金融、財政及び構造政策―を個別的にまた総合的に用いるとの我々のコミットメントを再確認する。我々は、強固で、持続可能な、かつ、均衡ある成長を達成するための我々の取組を強化することに対する3本の矢のアプローチ、すなわち相互補完的な財政、金融及び構造政策の重要な役割を再確認する。財政政策の活用は、各国の腹積もり次第であり、大方の考えていた通りの玉虫色の結果です(財政出動に前向きな日本、カナダと後ろ向きな英国、ドイツでは大きな隔たりがある)。なお、「国別の状況を考慮しつつ」との記載が優先されている点が、協調的な財政出動は相当に困難であるとの印象を受けます。

*大方の市場参加者が考えていた通り、伊勢志摩サミットの首脳宣言=経済イニシアチブによって為替相場も、日経平均株価も動意付くことはありません。サミットを受けて安倍首相が消費増税の2.5 年間の延期を正式に決定しても、5兆~10 兆円の財政出動を決定しても動意付くことは難しいかもしれません。11 月に新米国大統領が決まるまでは(トランプ大統領の可能性が高まってきました)大きな方向性は出ないかもしれません。

 

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