FM 今週のポイント(4月25日)

2016/04/25 <>

*日銀の追加緩和観測が高まり先週末にかけて日経平均株価が大幅に続伸しました。3月高値を一気に抜けて、終値は17500 円を上回っています(週末のCME 先物市場においては17700 円超)。ドル円相場も111 円台後半まで円安が進んでいます。今までの日本株の出遅れ感が一気に解消です⇒NYダウを基にした経験則による日経平均株価の推定値は(NY ダウ18003.75 ドル×ドル円相場111.73 円×0.009)18104 円となり、今週は18000 円の大台が期待できます。

*週末の日銀決定会合で追加緩和が決定される可能性が高いと思われます。先週初から日銀リークらしい、まことしやかな緩和内容が徐々にマーケットに浸透しているところを見ると(貸出支援スキームの金利引下げ等)、ゼロ回答は有り得ないと思います。熊本地震の景況感への悪影響を考慮して規模的にサプライズを狙う可能性もあります。通常はETF 倍額の6兆円購入ですが、10兆円以上に拡大するとの説も一部にはあります。いずれにしても、今回、追加緩和で失敗した場合(円安、株高につながらない場合)日銀の信用失墜、そして安倍政権への政治的打撃になると思われ、満を持す体制で臨んでくるものと考えられます。さらに政府も対策発動で歩調を合わせるものと思われます。補正が当初の5兆円規模を超えて10 兆円レベルまで積み増される可能性があります(震災関連を含む)。さらに消費増税を延期して軽減税率のみを先行させる選択肢も検討されているようです。5月末の伊勢志摩サミットに向けて政策的にはフルスロットルです。

*昨年末からの下落と2月の底値からの反転において出遅れていたバリュー株が動意づいています。出遅れバリューの代表格は銀行、鉄鋼、自動車、海運、証券、保険等ですが、先週末は値上がり率上位セクターとして並んでいます。ショートカバーラリーが当面は続く可能性が高く、当該セクターのもう一段の上昇が見込めそうです(残念ながら、新規の買いは少なく、ほぼショートカバーによる上昇と思われる)。バリュー株の反転により日本株の出遅れ感が解消、日経平均株価ベースで18000 円台が見えてきました(前述の通り)。問題はその後です。世界的なリスクオンが加速してNYダウが19000 ドルに迫れば別ですが、18000 ドル前後で膠着する場合はバリュー株の更なる上昇による全体相場の一段高は期待できないと思います。短期シクリカル(売られすぎの反動)な上昇はあっても昨年来の高値を抜けていくような業績環境ではありません。ドル円相場の円安修正(ドル高是正の一服)が米国株の頭を抑えることになり、世界的なリスクオンが一段と加速する可能性は少ないと思います。従って現局面においては業績の拡大が見込める銘柄(中小型グロース系)をボトムアップで地道に拾っていくことが肝心だと考えています(あくまでもαの追求)。ショートカバー勢といっしょになってβを取りに行くのはリスクが高いと思います。

 

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