FM 今週のポイント(1 月26 日)

2015/01/26

*注目されたECB理事会はマーケットの期待通りのQEを決定しました。2015年3月から2016年9月まで、毎月600億ユーロのユーロ圏域内国債を買い上げることになります。マイナス利回りの国債はもちろん、条件付きではあるもののギリシャ国債も買い入れの対象になり、 現時点のマーケットの期待に十分に応える内容です。ECBの決定を受けて世界の金融株式市場はリスクオフの加速に歯止めをかけることができました→NY株式市場は週間ベースで 年初来初の上昇となり、ドル円相場も一時118 円台に戻りました。ただし、先週末時点においてはギリシャ総選挙待ちで明確なリスクオンにはなっていません。日本株も日経平均株価 が180円超上昇したものの終日物足りなさを感じたマーケット参加者が多かったものと思われます。

*ギリシャ総選挙の結果がどうあれ(最大野党・急進左派連合(SYRIZA)の勝利が確実視されている=緊縮財政に反対、ユーロ圏離脱も視野に入れている)、ギリシャのユーロ圏離脱に現実味は少なく、イベント通過的な効果を齎すものと思われます。ユーロ安に歯止めがかかり(円安は既に歯止めがかかっている)、ドルベースの過剰流動性拡大(日米欧のマネタリーベース)が明確になれば、本格的に世界的なリスクオン相場到来が期待できるものと思われます。

*しかし、リーマンショック以来の金融株式市場を支えてきた中央銀行に対する信任が弱まっていることが考えられます(中央銀行の限界)。これまで各国中央銀行の資産残高(ほぼマネタリーベース)の伸びと世界の株式市場(MSCIワールドインデックス等)の上昇率は同期しています。中央銀行の政策目標が株価を引き上げることならば100点満点の結果ですが、おそらく株価引き上げを目的にしていません(アベノミクスは株高政策であり、日銀の金融緩和を最大限利用しているが、日銀の政策目標はあくまで物価上昇率の引き上げ)。日米欧の中央銀行はデフレ脱却のために物価上昇率の引き上げを政策目的にしています(日米欧とも2%が目標数値)。リーマンショック以来、各国中央銀行はマネタリーベースの拡大に邁進してきました。前述の通り、株高には繋がりましたが物価は世界的に下落を続けています。ユーロ圏の12月のCPIが0.2%のマイナスとなりECBは今回のQEに追い込まれました。日銀も21日に発表した展望レポートの中間評価で2015年の消費者物価上昇率予想を1%としました(昨年10月時の見込み1.7%から0.7%の下方修正)。金融政策の次の一手は利上げと目される米国においてもPCEデフレータが1.4%程度にとどまっています。現時点では一生懸命マネタリーベースを拡大させてきた(ゼロ金利政策=QEの異次元緩和)結果、異次元緩和では物価を引き上げることができなかったことが結論づけられようとしています。今後、中央銀行限界論が高まるリスクがあり要注意です。

*とは言っても、当面は過剰流動性モメンタムが株価水準決める相場が継続することは間違いありません(中央銀行が政策転換するまで続く:中央銀行限界論が高まるまで猶予期間がある)。その意味でECB の決定は世界の株式市場には大きくポジティブです。そして今週から本格化する国内企業の3Q決算発表は想定以上の好業績が期待できます。株価に好業績を素直に反映させることができる程度にリスクオン度は高まっているものと思われます。ここは素直に好業績銘柄をセレクトして行きたいと考えています。

いちよしアセットマネジメント株式会社
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