金融リテラシーを高めるには

2023/07/24

・身近な趣味は、どのようなきっかけで始めたのか。やはり、まわりにやっている人がいて、情報として少し知っており、やってみないかと誘われたことからであろうか。

・金融の初歩を学ぼうといわれても、興味のない人には、道徳の時間や倫理の時間のように何の関心もわかない。一人一人の関心事を引き出しながら、そこで働いているお金のことを少しずつ理解していく。ここがうまく結びつけば、興味がわいてこよう。

・私は若い時、人間工学に興味をもった。ヒューマンエラーを減らすにはどうしたらよいか。ロボットとヒトはどこが違うのか。当時は脳のことがよく分かっていなかったが、ヒトは五感で情報をとって、神経回路が情報処理システムとして機能し、脳の中で何らかの意思決定をして、身体を制御しながら伝えていくと理解した。

・ヒトは、日々何かを決めて行動している。意識していることが多いとしても、いつものことになると、無意識で気が付かないうちに判断している。お金を稼ぐこと、使うこと、貯めることは、いかがであろうか。

・貯めることには工夫が必要である。ここに、かつてないチャンスが広がっている。但し、騙されないようにする知恵も身につける必要があろう。

・「貯蓄から投資へ」と長らく掛け声がかけられてきたが、思うようには進んでいない。金利がほとんどつかいない状況が続いてきたので、貯金や預金をしてもお金は増えない。通常の預貯金はお金を安全においておくところになってしまった。

・投資をするといっても、何からどのように始めるのか。投資をするとリターンが得られる可能性は高まるが、損をするリスクも発生する。1円の損もしたくないという気持ちでは、投資はなかなかできない。

・投資をすれば儲かるという経験をすれば、投資への理解が進みそうである。そうなれば、次第に身に付いてくるともいえる。私の若い頃は、まず少額で株式や投資信託を買って、しばらくほっておくのがよいと学んだ。持っている金融商品に、それなりに興味をもつし、その価額の上下は確かに気になる。タイミング次第だが、長く持つと利益が出てきた。

・NISA(少額投資非課税制度)はすでに離陸しており、積み立てNISAも増加が顕著となっている。このNISAが一段と充実してくる。税制優遇があるので、使わない手はない。ポイントよりもお得であるという感覚をもちたい。

・金融を身近に知って、使ってみる機会は増えている。金融機関に対しては、顧客より自社の利益を優先して、顧客に合わない商品を勧めないように、ルールを一段と厳しくしている。ここをわきまえれば、ビジネスチャンスは大きく広がるので、アセットマネジメントビジネスは有望である。

・2024年から始まる新しいNISAでは、1)年間の投資枠が拡大し、2)非課税期間が恒久化し、3)投資枠の再利用が可能となる。

・新制度では投資信託が買える「積み立て投資枠」が年間120万円になる。また、上場株式なども購入できる「成長投資枠」が240万円となる。併用もできるので、年間投資額の上限は合計で360万円に増える。

・さらに、毎年続けるとして、非課税の保有上限は1800万円(成長投資枠は1200万円まで)と相当大きくなる。また、口座は恒久化でき、投信や株を売却しても、翌年以降、その元本分の生涯投資枠として再利用できる。これは魅力的である。

・金融ITは高度に発展している。便利になるが、詐欺的な行為も目立っている。そこで、政府は、騙されないように、トラブルに巻き込まれないように、若者への教育機会を広げていこうとしている。

・金融教育では、①金利の計算(単利、複利)、②株式、投信、保険などの内容、③金融商品の流動性、安全性、収益性について理解を進めようとしている。若者の身に付くように、小中高で学び、働くようになってからはNISAで投資を実践していく。そうすれば、30年後、50年後には金融資産が一定程度貯まってくることになろう。

・口コミが大事である。今、個人金融資金をもっている人は、65歳以上が主力である。この人たちがまずはNISAを利用し、まわりに語っていくことも大事である。筆者も、まわりに大いに推奨していきたい。

・「新しい資本主義」で、資産所得倍増を掲げている。個人金融資産を投資商品に移していく。ETFの活用も有効であろう。ETF の大半は日銀が保有しているが、これもいずれ正常化させる方向に向かい、内外の民間金融機関に移行されていこう。

・成長投資が必要なので、NISAに成長投資枠ができた。金融教育については、小中から始めて高校での内容をさらに充実させていく方向だ。カギは、人々の行動変容を導くことができるかどうかにかかっている。フィナンシャルウェルネス(金融のよさ)がピンとくるようになれば、しめたものである。楽しい時代が来ることを期待したい。

株式会社日本ベル投資研究所
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