豪州の18年4-6月期GDP~今後の市場展望

2018/09/05 <>
  1. 実質GDPは前期比年率+3.5%と、順調な景気拡大が続きました。好調な個人消費がけん引しました。
  2. RBA18年の成長率を上方修正した一方、インフレ率を下方修正し、慎重な金融政策が予想されます。
  3. 年後半も景気は順調と見込まれ、年末に向け、利上げを巡る思惑で豪ドルは底堅さを増すと考えます

2期連続の年率+3%超

本日、オーストラリア(豪)統計局が発表した18年4-6月期の実質GDPは、前期比年率+3.5%でした。1-3月期(同+4.2%)から低下したものの、豪景気が年率+3%超で順調に拡大していることが示されました。

前期比年率に対する寄与度は、個人消費がほとんどを占めており、雇用環境改善による、所得増加が景気を押し上げている様子が示されました。一方、固定資本投資はややプラス寄与の幅が縮小しました。堅調な非鉱業投資が一服したことが背景にありますが、鉱業依存の経済体質から脱却していく方向は変わりません。

RBAは、8月に発表した金融政策報告書で、18年の実質GDP成長率見通しを+3.0%から+3.3%へ、5月発表の前回報告書から上方修正しました。良好な雇用環境と粘り強い金融緩和が、年後半の景気を刺激すると見ています。ただし、インフレ率は同じく+2.0%から+1.8%へ下方修正され、現行の金融政策スタンスが当面続くことが示唆されます。

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金融政策に対する先行き観測が変化?

豪ドル相場は、米金利上昇、新興国通貨下落の流れ、工業用商品市況の不調から、新興国通貨よりは底堅いものの弱含みです。当面低金利が維持されるとの見方も、米豪金利差拡大観測につながり、豪ドルの頭を重くしていると見られます。

しかし、景気見通しがより明るくなっていることから、インフレ率が目標(+2~3%)下限近辺(4-6月期は前年同期比+2.1%)で推移したとしても、利上げ再開に対する期待は、今後より強まっていくと思われます。RBAの景気・インフレ見通しから、実際の利上げ時期は早くても19年半ばと見込まれますが、将来的な米豪金利差の縮小が意識されるようになると、豪ドルは底堅さを増してくると思われます。

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