トルコの18年1-3月期GDP~通貨急落後の経済は?
2018/06/12
<投資信託>
- 実質GDP成長率は前年同期比+7.4%でした。個人消費を中心に旺盛な内需が押し上げました。
- 高成長は、エルドアン大統領による積極財政が背景にあると見られ、年後半には減速が見込まれます。
- 金融引き締めは通貨リラの支援材料ですが、大統領の動きへの警戒で神経質な相場が続くと考えます。
高成長の持続可能性に難
11日、トルコ統計局が発表した18年1-3月期の実質GDPは、前年同期比+7.4%でした。市場では大幅減速が予想されていましたが、それを覆し、小幅ながら前期をも上回る高成長となりました。
主要項目別に見ると、個人消費が前年同期比+11.0%、固定資本投資が同+9.7%と、内需が大きく主導する形となりました。双方合計で実質GDP成長率に対する寄与度は+9.5%に達しました。旺盛な内需をカバーしたのが輸入で同+15.7%、3期連続の前年同期比2ケタ増です。外需(純輸出、輸出-輸入)はマイナス寄与が拡大しました。また、需要増への対応で在庫投資も圧縮されました。高成長の要因は、エルドアン大統領による積極財政と見られますが、貿易赤字拡大と同時にインフレ圧力も強まる副作用が出ており、年後半は金融引き締めの影響から景気が減速すると予想しています。
ひとまず下げ止まったが…
リラ相場は、トルコ中央銀行による果敢な利上げによって、強いインフレ圧力の放置がとめどないリラ安を招いている流れが、ひとまず押しとどめられた形です。しかし、神経質な動きはまだ収束していません。
6月24日に大統領・議会選挙が控えており、現在優勢を保っているエルドアン大統領が、選挙後に金融政策に介入する(利下げ圧力を掛ける)と宣言しており、リラに対する市場の警戒感は簡単に解けそうもありません。6月7日の金融政策委員会では、市場が予想していなかった政策金利(1週間レポ金利)の追加的引き上げ(16.5%→17.75%)が断行され、先行きインフレ抑制への期待から、リラにとって強力な支援材料になったと見られます。ただし、大統領が実際どのような動きに出るかは不透明です。
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