5月の米国景況感指標(PMIなど)~4-6月期の米国景気は?

2018/06/06 <>
  1. PMI3ヵ月ぶり、NMI4ヵ月ぶりに上昇し、減速気味の企業活動は下げ止まった感があります。
  2. 鉱工業生産が引き続き活発なほか、小売など消費関連指標も春以降底堅さが増してきています。
  3. 現時点までの企業、個人の経済活動を見る限り、4-6月期の景気は1-3月期よりも堅調と見込まれます

生産堅調のすそ野拡大

ISM(全米供給管理協会)は、1日に5月のPMIを、5日に同NMIを発表しました。PMIは前月比+1.4ポイントの58.7、NMIも同+1.8ポイントで58.6でした。PMIは3ヵ月ぶり、NMIは4ヵ月ぶりに上昇に転じました。企業活動は、このところやや減速気味でしたが、下げ止まった感があります。活動の水準自体は依然として高水準です。

構成指数では、生産指数(NMIでは活動指数)、新規受注指数、納品指数(受注から納品までの期間の長短を問うた指標:長いほど水準が高く、それだけ在庫がひっ迫していることを示す)の上昇が双方全般では目立った形です。PMIでは在庫指数が低下しました。ただし、生産指数、新規受注指数が好調な中での同指数の低下は、在庫ひっ迫による先行きの生産増加を示唆するという、ポジティブな解釈ができます。鉱工業生産指数はこのところ堅調で、4月時点では過去最高を更新しました。シェールオイル・ガスの生産増でエネルギーがけん引していますが、最近では消費財、原材料、ハイテク製品など、幅広いセクターでの増加が見られます。

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4-6月期は景気再加速か

なお、アトランタ連銀発表のGDP Now(各経済指標から経済成長率(前期比年率)を推計)を見ると、4-6月期の実質GDP成長率は、PMIまでを織り込んだ6月1日時点で+4.8%となっています。

同指標は、実績が積み上がるつれて低下する傾向があります。ただし、推計開始後1ヵ月余りでのこの水準は高く、株価急落、金利急上昇など、企業のセンチメントをにわかに弱気にさせることがない限り、1-3月期よりも景気は改善する公算が大きいと考えます。

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