10月のISM景気指数~着実な金融政策正常化を後押し?

2017/11/06 <>
  1. PMIは低下、NMIは小幅上昇でした。双方総合ではほぼ横ばいで、好調な景況感が続いています。
  2. 足元の企業活動の勢いから見る限りでは、10-12月期も景気が上振れする可能性が出てきています。
  3. 現行の金融政策正常化への信頼感は高まっていると見られ、ドルへの追い風になると思われます

60前後の高水準続く

ISM(全米供給管理協会)は、1日にPMI、3日にNMIの10月値を発表しました。PMIは前月比-2.1ポイントの58.7、NMIは同+0.3ポイントの60.1でした。明暗が分かれましたが、水準としては十分高く、企業の景況感は依然として好調です。生産高のウエイトで加重したPMI、NMI双方の総合指数は前月比-0.1ポイントの59.9と、ほぼ横ばいでした。

PMIの構成指標は、10月はすべて低下しました。ただし、生産、新規受注、納品は60を超えています。一方、在庫が大きく低下して4カ月ぶりに50を割り込みました。しかしこれは、企業が過剰な在庫積み上げに慎重で、無理な生産をしていないことを表わしていると見られ、先行きの製造業の活動にとってはプラスと思われます。NMIの構成指標はおおむね小動きでした。企業活動(PMIの生産に相当)と新規受注が60を超えました。

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10-12月期は幸先好調

ISMが分析しているPMI、NMIと実質GDP成長率との関係に基づき、足元の成長ペースを試算すると、年率+4.4%でした。一方、アトランタ連銀発表のGDP Nowは、11月3日時点で+3.3%です。         ※各経済指標から経済成長率〔前期比年率〕を試算

いずれにしても、10-12月期の実質GDP成長率が、年率+2%程度と見られている現在の米国の潜在的な成長ペースを上振れる可能性があることが示されました。こうした中、FRB(米連邦準備理事会)が実施している金融政策正常化への信頼感は高まる方向にあり、ドルには追い風になると思われます。

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