据え置き続く豪政策金利~金融政策と豪ドル相場の展望

2017/06/06 <>
  1. 政策金利は1.5%で据え置きでした。インフレ率は引き続き低いとの判断で、様子見が続けられました。
  2. ただし、CPIトリム平均はインフレ目標に近づき、将来的に利上げが視野に入ることも否定できません。
  3. 豪ドルは、米利上げが上昇を抑制する一方、景気の底堅さが下支えとなり、当面安定しそうです。

金融政策の次の一手は「利上げ」?

RBA(Reserve Bank of Australia、オーストラリア〔豪〕準備銀行)は、本日定例理事会を開き、政策金利であるキャッシュレートを1.5%に据え置きました。16年8月に利下げして以来、9会合連続の据え置きです。

インフレ率は低水準ながら上昇傾向にあります。RBAが注目しているCPIトリム平均(価格変動幅の中央値から上下35%分の品目を算入)は、17年1-3月期が前年同期比+1.9%と、インフレ目標(+2~3%)に近付いています。一方、参考値となる月次指標であるMI-CPI(上図中※参照)は、5月は前年同月比+2.8%と上昇傾向にあり、インフレ率のさらなる上昇が示唆されます。将来的に利上げが視野に入ってくることも否定できない情勢です。しかし、RBAは米国の利上げを注視する必要があるとしており、当面は様子見が続きそうです。

201706064

対米金利差と国内景気との引っ張り合い

豪ドル相場は、米国の利上げで対米金利差が縮小していることから、上昇が抑制されています。対円は、動きは小さいものの、米ドル安・円高を受け、昨年末からは下落しています。一方、商品市況を代表するCRB商品指数は軟調で、本来は豪ドル安要因ですが、商品市況に対する豪ドルの割安感が残り、大きな下落圧力にはなっていません。

対米金利差は今後も縮小する公算が大きく、豪ドルにとって重しとなる一方、景気が底堅いことで、「次の一手は利上げ」との見方が今後強まることも考えられ、こちらは下支えとなりそうです。結局、豪ドルは、対米ドルでは当面安定することが見込まれます。対円は米ドル・円相場に影響を受けますが、年末にかけては緩やかなドル高傾向が続くと予想され、底堅く推移しそうです。

201706065

※CRB商品指数:国際商品市況の動きを示す代表的な指数。米英の先物市場に上場する19品目で構成されています。

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会