10月の小売売上高と最近の消費マインド(米国)

2016/11/16 <>
  1. 10月の小売売上高は前月比+0.8%と高い伸びが続きました。良好な所得環境が支援材料です。
  2. 消費マインドは、先行きに対する不安が和らいでおり、年末年始に向けて期待できる動きです。
  3. 雇用統計に続く良好な経済指標でインフレ期待が上昇し、12月利上げの可能性はさらに高まりました。

雇用拡大→所得増加→家計の安心感醸成の道筋順調

15日に米商務省が発表した10月の小売売上高は前月比+0.8%でした。9月(速報の同+0.6%から同+1.0%へ上方修正)に続いて高い伸びとなり、個人消費は堅調です。自動車販売が好調なことやガソリンが価格上昇によって売上が増加した影響が大きいものの、食料品やネット小売、スーパー等など売上増加の裾野の広さが感じられました。

好調な所得環境が、ここにきて消費行動につながってきたことがうかがわれます。民間企業の時間当たり賃金は、10月は前年同月比+2.8%と、今回の景気拡大局面(09年7月~)で最高となりました。賃金が順調に増加していくという安心感が醸成されてきたと見られます。

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生活不安の後退がインフレ期待を高めている

11日に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数(11月速報)によると、現況指数から期待指数を差し引いた「生活不安度」が7月をピークに低下しています。これが上昇すると、先行きに対する生活不安が高まることを示すので、安心感が高まっていることを意味しています。

良好な所得環境に裏打ちされたマインド改善は、インフレ期待の上昇にもつながります。消費者信頼感指数と共に発表された期待インフレ率(1年後)は+2.7%と、10月の+2.4%(年初来最低)から大きく反発しました。これは、雇用環境の十分な改善と共に、インフレ率が持続的に上昇していくことを示唆したものと考えられます。Bloombergの試算による12月利上げの確率は90%を超え、利上げの可能性はさらに高まりました。

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