RBIが半年ぶりに利下げ~物価安定に対応~
2016/10/05
<投資信託>
- 政策金利を6.25%へ引き下げ、法定流動性準備率も引き下げました。インフレ安定に対応しました。
- 期待インフレは高まっていますが、好調な農業生産からインフレは安定方向にあると判断されました。
- 16、17年と+7%台後半の成長が予想され、好調な景気を背景に通貨、株価は底堅く推移しそうです。
気候安定で緩和余地
RBI(インド準備銀行)は4日、金融政策決定会合を開き、政策金利であるレポ金利を6.5%から6.25%へ引き下げました。4月以来半年ぶりの利下げでした。また、1日には法定流動性準備率(預金を国債等安全資産で運用することを義務付ける比率)を21%から20.75%へ引き下げました。
インフレが安定しています。8月のCPIは前年同月比+5.05%と大きく鈍化しました。今年は気候が安定し、農業生産が好調なため、食品・飲料・タバコが7月の同+8.0%から8月は同+5.8%へ大幅に鈍化したことが影響しました。RBIは、目標とする+4%±2%のレンジ内に収まり、先行きも加速する可能性は高くないと見ています。金融緩和スタンスの継続は、政府の経済構造改革や積極的な政府支出とあいまって、景気を押し上げると期待されます。
投資資金を引き付ける、インド経済に吹く追い風
同日、RBIが発表した経済見通しサーベイによると、実質GVA(粗付加価値、GDPとほぼ同じ)成長率は16年度(日本の年度と同じ)が+7.6%、17年度が+7.8%と、高い成長が続くとの予想でした。
インドに対する投資家の期待は高く、世界的な低金利もあって、投資資金の流入が続きそうです。また、RBIが自国通貨のルピーの過度な上昇を警戒するために注視している外貨準備高も順調に増えているため、緩やかなルピー安を指向する為替政策スタンスが若干和らぐ可能性もあります。景気、物価、政策スタンスなど、様々な側面から、インド経済は当面追い風を受ける環境にあると見込まれ、通貨、株価共に底堅く推移しそうです。
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