豪中銀、前月に続き政策金利据え置き

2016/10/04 <>
  1. RBA(豪準備銀行)は4日の理事会で政策金利を1.5%に据え置きました。低インフレが続いています。
  2. 雇用環境が良好で、個人消費中心に景気を下支えしています。これまでの豪ドル安で輸出も堅調です。
  3. 中立の金融政策姿勢の一方、国際商品市況は底堅く、豪ドルは反発余地が出てきていると思われます。

先進国特有の好調な雇用と低インフレの並存

4日、RBA(オーストラリア〔豪〕準備銀行)が定例理事会を開き、政策金利のキャッシュレートを1.5%に据え置きました。

豪経済は、雇用環境が良好です。8月の失業率は5.6%と、原油価格急落前の水準に低下しました。ただし、16年1~8月の雇用者数増減を見ると、全体の+6.7万人のうち正規が-5.1万人、非正規が+11.8万人となっています。RBAは、低い労働コストの伸びを金融緩和継続の理由に挙げていますが、非正規に偏重した雇用拡大が一因と見られます。好調な雇用、個人消費と低インフレ率が並存する先進国経済の特徴が豪州にも当てはまっています。また、これまでの豪ドル安の結果、輸出が堅調で景気を支えています。

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国内商品市況の回復に対する出遅れ続く

豪ドルは、8月に続き、値動きの小さい状態が続いています。国際商品市況に対する豪ドルの出遅れ感が前月に増して強まっていると見られます。

CRB指数と豪ドルは本来連動性が高い傾向にありますが、5月に利下げした際に、CRB指数の上昇とは逆に、大きく下落しました。金融緩和は今後も続けられると見込まれ、緩やかな利上げ局面にある米国との金利差は縮小する方向にあります。この点は豪ドル安要因でしょう。一方、CRB指数は、OPEC(石油輸出国機構)での原油減産合意を受けて底堅さを増しています。豪ドルは、CRB指数との連動性を取り戻しつつあり、反発余地が出てきていると思われます。対円相場も、1米ドル100円近辺を底に底堅く推移すると見ており、下値不安は後退していると思われます。

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