メキシコ今年3回目の利上げ~ペソ安は行き過ぎ?
2016/09/30
<投資信託>
- BOMは政策金利を4.25%から4.75%へ引き上げました。ペソ安抑止で安定したインフレを目指します。
- 財政事情が改善していることに加え、インフレ率は低水準であり、メキシコ経済は安定しています。
- 通貨ペソは、米大統領選に対する不透明感が残るものの、過剰に売られている面もあると見られます。
ペソ安のインフレ率押し上げは限定的との見方
9月29日、BOM(メキシコ中央銀行)が定例理事会を開き、政策金利(オーバーナイト金利)を4.25%から4.75%に引き上げると決定しました。15年12月から数えると4回目、今年に入ってから3回目の利上げとなります。
インフレ率は引き続き低位で安定しています。8月のCPI(消費者物価指数)は前年同月比+2.73%と目標の+3%を下回っています。BOMは、これまでのペソ安の影響で、インフレ率は押し上げられる可能性があるものの、+3%近辺の水準にとどまると予想しています。今回の利上げは足元のメキシコペソ(以下、ペソ)急落によるインフレ圧力の高まりを未然に防ぐことを目的としており、政府の財政再建への取り組みと相まって、ペソを下支えすると期待されます。
投機的色彩が濃くなっている足元のペソ安
ペソ安の元々の原因となった原油価格はひとまず落ち着き、財政収支は緊縮の効果もあって改善しています。また、米大統領選挙に対する不透明感は残るものの、経済面からはさらにペソ安を示唆する状況ではなくなっていると考えられます。
対ドル相場は一時1ドル20ペソに近づくなど足元急落しましたが、投機的な動きの参考になると言われる米国でのペソの先物市場における売り買いのポジション(規模)を見ると、直近で大幅な売り超過でした。売りが優勢になった14年秋以降では最大です。ペソを取り巻く環境が最悪期から脱しつつある中でのこの動きは投機的色彩が濃いと見られ、逆に反発余地も拡大していると思われます。
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