8月のユーロ圏景況感指標と当面のユーロ相場について
2016/08/26
<投資信託>
- 8月のIFO企業景況感指数は前月比-2.1ポイントでした。景気回復ペース鈍化が示唆されています。
- IFOは現況も含まれるため、Brexitに対する企業の先行き不透明感が徐々に出てきている印象です。
- ユーロは、Brexitがユーロ圏に優位、金融緩和は織り込み済みなどの点から底堅い展開となりそうです。
新規受注に弱さ
8月25日、独IFO研究所が発表した8月の企業景況感指数は前月比-2.1ポイントの106.2でした。2ポイント超の低下は12年5月以来です。当時は欧州債務危機でユーロ圏の景気が低迷していた時期に当たり、大きな低下といえます。業種別指数も建設業以外は低下しました。
ZEW景況感指数※(期待)、センティックス経済信頼感指数☆といった、市場参加者から見たセンチメント系指標は、Brexit(英国のEU〔欧州連合〕離脱)決定直後の7月に大きく低下し、8月は持ち直したのに対し、IFOの企業景況感指数は現況の評価も含むため、やや遅れて出てきた形です。IFOは新規受注に弱さが見えるとしており、年末にかけて景気減速が示唆される動きです。
ユーロ安要因が後退
Brexitのユーロ圏経済への影響は、対英貿易縮小という懸念を伴うものの、ユーロ圏へのビジネスのシフトが期待され、ユーロには優位との見方があります。
また、ECB(欧州中央銀行)の金融緩和は、インフレ期待を高める点でユーロ安要因といえますが、すでに相場に織り込まれたと見られます。こうしたユーロへの前向きな評価とユーロ安要因の後退で、ユーロは底堅いと期待されます。
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