インドネシア経済の現状と展望~16年4-6月期GDP
2016/08/08
<投資信託>
- 実質GDP成長率は前年同期比+5.18%でした。ジョコ政権下で最高となり、景気が加速しています。
- 積極的な財政支出が個人消費にも好影響を与えています。当面、景気は堅調に推移しそうです。
- インフレの落ち着きから金融緩和政策がすすめられており、今後も景気拡大を後押ししそうです。
積極的なインフラ投資がけん引
8月5日、インドネシア中央統計庁が発表した16年4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+5.18%でした。ジョコ政権成立(14年10月)以降で最高の成長率となり、インドネシア経済は加速しています。
ジョコ政権による積極的な政府支出が景気を押し上げています。政府消費支出は前年同期比+6.26%と相対的に高く、固定資本投資は同+5.06%でした。民間設備投資は伸び悩んでいると言われており、政府によるインフラ投資が大きく伸びたと見られます。また、家計消費支出は同+5.04%と5期ぶりに+5%を上回り、積極財政の好影響が消費活動に表れているようです。IMF(国際通貨基金)は16、17年の実質GDP成長率をそれぞれ+4.9%、+5.3%と予想しており(7月現在)、当面、景気は堅調に推移すると思われます。
金融緩和の余地あり、景気を下支え
インドネシアではインフレの落ち着きを受けて金融緩和が実施されているため、積極財政とあいまって、景気を加速させています。7月のCPIは前年同月比+3.21%と、年初来で最低、目標レンジである+4±1%の下限に近付きました。
これを受けて中銀(BI:インドネシア銀行)が年初から3回、累積で1%の利下げ(7.5%→6.5%)を実施しました。IMFによれば、インフレ率の鈍化は一巡するものの、当面は目標レンジ内で推移する公算が大きく、緩和的な金融政策スタンスが維持され、景気拡大を後押しすると見込まれます。
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