6月の小売売上高と最近の消費マインド(米国)

2016/07/19 <>
  1. 6月の小売売上高は前月比+0.6%で3カ月連続増加、4-6月期は個人消費が回復したと見られます。
  2. 消費マインドは英国のEU離脱決定後の混乱を克服し、株価の堅調も手伝って底堅く推移しています。
  3. 先行き不安の増大が気がかりですが、当分は所得増加の効果が個人消費増加に貢献しそうです。

4-6月期の個人消費は好転か

7月15日に米商務省が発表した6月の小売売上高は前月比+0.6%でした。3カ月連続増加となり、4-6月期では前期比+1.4%と、1-3月期の同-0.1%からプラス転換し、個人消費の回復が印象付けられる結果でした。

セクター別では、建材・園芸が2カ月連続減少の反動で前月比+3.9%、無店舗小売業が同+1.1%で、この2セクターで0.5%押し上げました。総合商業施設も底堅く、うち百貨店が同+0.7%、その他(スーパー等)が同+0.3%でした。

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所得増加の個人消費押し上げ効果に期待

消費マインドは、ミシガン大学消費者信頼感指数の7月速報値が前月比-4.0ポイントの89.5と伸び悩みましたが、前回の景気拡大期(01年11月~07年12月)でのピークに近い水準であり、基本的にマインドは良好です。ただし、同指数の構成指数である現況指数と期待指数との差が大きく拡大しており、中長期的(1~2年程度)には景気のピークが近付いていることを示唆していることは留意する必要があるでしょう。一方、週次の消費者安心度指数は足元堅調で、英国のEU(欧州連合)離脱決定後の混乱を克服し、株価が堅調なことが好感されていると思われます。

雇用・所得環境が依然として良好であり、賃金の伸び率も徐々にではあるものの上がってきているため、今後、その効果が浸透し、当分は個人消費の増加に貢献しそうです。

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