5月の物価指標について(米国)
2016/06/17
<投資信託>
- 5月のCPIコア指数は前年同月比+2%でした。サービスコア指数が今景気拡大局面で最高です。
- PPI中間財コア指数は前月比で2カ月連続プラスとなっており、物価抑制圧力が後退しています。
- 累積的な雇用環境改善で賃金の伸びが徐々に上昇し、インフレ率を徐々に押し上げていきそうです。
住居費がリーマンショック後最高を更新
6月16日、米労働省が5月のCPIを発表しました。中心指標のコア指数(食品・エネルギー除く総合)は前年同月比+2.2%でした。+2%台は7カ月連続です。内訳であるサービスコア指数が同+3.2%と、サービス品目がけん引する展開が続いています。特に、サービスコア指数の過半を占める住居費(家賃、宿泊費、帰属家賃※で構成)が同+3.4%と07年9月以来のプラス幅に拡大したことが影響しました。
また、インフレ圧力指標とされるPPI中間財コア指数が前年同月比-2.0%とマイナス幅を縮めています。前月比ではすでに2カ月連続でプラスとなっています。国際商品市況の回復で化学、金属製品などが堅調に推移しています。
※持ち家に帰属する家賃。実際には家賃は発生しませんが、家賃と同様のサービスを生み出しているとして評価したもの。
家計の購入余力拡大がインフレ率押し上げへ
FRB(米連邦準備理事会)がインフレ目標の参照指数としているPCE価格指数も目標(+2%)に届いていません。さらにプラス幅が広がるには、雇用がさらに増加し、労働需給がひっ迫することで賃金が押し上げられることが必要と思われます。
5月の民間企業時間当たり賃金は前年同月比+2.5%と安定した伸びを示していますが、リーマンショック前の景気拡大期では+3%台が中心であり、まだ水準は低いと言わざるを得ません。しかし、累積的労働需給はひっ迫しており、賃金の伸びは今後徐々に増加ペースが上がっていくと見込まれますので、ほぼ同時の指標であるインフレ率も押し上げられていくと思われます。
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