ブラジルの16年1-3月期GDPと今後の金融政策、市場の展望

2016/06/02 <>
  1. 実質GDP成長率は前年同期比-5.4%でした。内・外需共にマイナス幅が縮小しました。
  2. 景気後退が和らいだ感があります。個人消費が依然厳しいものの、輸出増加がカバーしています。
  3. 今後、成長率のマイナス幅は継続的に縮小していくと予想され、17年にはプラスに転じそうです。

通貨安を受け、外需が経済を下支え

IBGE(ブラジル地理統計院)が1日に発表した16年1-3月期の実質GDP成長率は前年同期比-5.4%でした。マイナス成長は8期連続と非常に厳しい経済状況が続いています。ただし、5期ぶりにマイナス幅が縮小しました。また、前期比年率では-1.1%と、-5.1%だった15年10-12月期からはマイナス幅が大幅に縮小し、景気後退が和らいだ感があります。輸出が同+28.8%と、通貨安を受けて大幅に増加しており、内需の不振を補っています。

今後は、内需が底打ちし、成長率のマイナス幅は縮小していくと思われます。アムンディでは16年は-2.5%、17年は-0.5%と予想していますが、四半期ベースでは17年にはプラス成長に転じると見込まれます。

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年明け後にも利下げが期待され、通貨レアルに反発余地

現在、ブラジル中央銀行は(BCB)は高止まりするインフレ率を抑制するため、金融引き締め政策を実施しています。しかし、長引く景気後退でインフレ率がピークアウトしつつあります。BCBはインフレ目標の上限(+6.5%)に達するまで引き締めを継続するとしていますが、年明け後にも利下げに転じることが期待されます。

通貨レアルは、国際商品市況の落ち着きやインフレ率鈍化への方向性転換が近いことを受け、年初来では対ドルで徐々に上昇しています。レアルは利下げ局面で上昇しやすい傾向があり、ドル・円が安定してくれば対円でも上昇余地が出てくると思われます。また、政治的不透明さの後退も、為替のみならず、株式市場にプラスの影響を与えると期待されます。

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