インドネシアの金融政策と今後の市場展望

2016/05/20 <>
  1. インドネシア中央銀行は(BI)18-19日の定例理事会で、政策金利を6.75%で据え置きました。
  2. インフレは引き続き安定しているほか、国際収支も改善し、金融政策スタンスは緩和バイアスです。
  3. 通貨ルピアの上昇一服で株価も伸び悩んでいますが。良好な経済の下で底堅いと見込まれます。

緩和余地を探る姿勢を維持

インドネシア中央銀行(Bank Indonesia、BI)は18-19日に定例理事会を開き、政策金利を6.75%に据え置くと決定しました。

インフレ率が安定しています。4月のCPIは前年同月比+3.60%と、インフレ目標(+4±1%)の範囲内です。また、16年1-3月期の経常赤字が対名目GDP比2.1%と、前期比縮小しました。これらは、BIに金融緩和の余地を与えており、政策スタンスは引き続き緩和バイアスです。一方、景気は今後も底堅く推移する見通しです。IMF(国際通貨基金)の4月時点の予想によると、実質GDP成長率は16年が+4.9%、17年が+5.3%と、新興国ではインド、中国に次ぐ高水準です。「インフレなき好況」が期待される状況です。

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株式相場は「中休み」、良好な景気背景に堅調維持か

ルピアは3月に一時1ドル=13000ルピアを割り込むなど上昇が続いてきましたが、足元は上昇が一服しています。政策金利据え置きを受け、足元は13600ルピア近辺とやや下落しています。また、代表的な株価指数であるジャカルタ総合指数(JCI)は、年初来高値(4月22日)から4%強下落しており、足元では伸び悩んでいます。

BIは外貨準備高の維持のため、過度な通貨高にならないような政策スタンスを採っています。したがって、ルピア安の是正を背景としたリスク資産(株式)への資金流入はひとまず一巡したと思われます。しかし、良好な景気を受けて、企業業績の好転が予想されています。実績と予想のPER(株価収益率)によると、16年のEPS(1株当たり利益)は前年比50%超の増加が予想されており、株価を押し上げそうです。

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