ECB理事会~追加緩和は当面温存か

2016/04/26 <>
  1. 421日のECB(欧州中央銀行)理事会が開かれ、前回決定した政策の据え置きを決定しました。
  2. 低インフレが続いていますが、6月から開始予定のTLTROⅡなどの効果を見極める姿勢です。
  3. 再び景気後退、継続的なデフレに陥るリスクが高まらない限り追加緩和は温存すると見込まれます。

社債購入可能額は50006000億ユーロだが・・・

ECB(欧州中央銀行は)4月21日、定例理事会を開催し、前回3月10日の会合で決定された政策パッケージの据え置きを決定しました(右表参照)。

今回決定されたのは、前回会合で導入が決定された社債購入プログラムの詳細です(右表網掛け部分参照)。ユーロ圏の非金融法人企業が発行している社債は全体で1兆ユーロ強で、うち80%程度が投資適格債と見られます。したがって、購入可能額は単純計算でその70%の5000~6000億ユーロと推測されます。ただし、多くの投資家に保有されているほか、国債や機関債と比べて流動性も劣るため、国債並みに早期に残高を積み上げるのは難しいと思われます。

201604223

ユーロは対ドルでは当面レンジ相場を形成か

ユーロ・ドル相場は、15年11月末前後の1ユーロ1.05ドル近辺を底に緩やかな上昇傾向となり、4月には1.14ドルまで上昇しました。金融緩和が強化されたものの、米国での利上げ観測後退などを背景に、ユーロ高に振れています。

ECBが本格的な量的緩和を導入した15年3月以来のユーロ・ドル相場は、おおむね1.05~1.15のレンジで推移しています。これは、14年6月にマイナス金利政策を導入した後、量的緩和への期待が織り込まれる形で、ユーロ安が大きく進んだためと思われます。ドラギ総裁は景気後退やデフレに陥るリスクが高まればあらゆる手段を用いるとしていますが、当面は現行政策が温存される可能性が高く、ユーロ・ドル相場は引き続きレンジ相場を形成する公算が大きいと思われます。

201604224

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会