3月の物価指標について(米国)

2016/04/15 <>
  1. 3月のCPIコア指数は前年同月比+2.2%、0.1ポイント鈍化しましたが、5カ月連続の+2%台です。
  2. ドル高是正で輸入・生産者物価の下落圧力が和らいでおり、先行きCPI底上げに資すると期待されます。
  3. インフレ目標達成が展望できる環境になりつつあり、再利上げは必ずしも遠くないと思われます。

安定した上昇率続く可能性高まる

米労働省が14日、3月のCPIを発表しました。コア指数は前年同月比+2.2%、衣料、住居サービスなど一部品目の鈍化から前月比0.1ポイント鈍化しましたが、5カ月連続で+2%台であり、緩やかなインフレで安定してきました。

物価指数の中で、「川上物価」などと呼ばれることもある、PPI、輸入物価指数のコア指数を見ると、3月はそれぞれ前年同月比-2.9%、-2.6%といずれも大幅なマイナスとなっています。ただし、前者は15年9月の同-4.2%、後者は15年12月の-3.6%からマイナス幅が縮小しています。15年11月以降のドル高是正が背景にあると見られますが、米利上げが緩やかとの見方からドル高傾向にすぐ戻る可能性も低く、今後、CPIが底上げされる期待が高まると思われます。

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インフレ目標を達成する展望が描ける環境になりかけている

FRB(米連邦準備理事会)が参照する物価指数であるPCE価格指数は2月時点で前年同月比+1.0%となっています。総合指数のため、エネルギー価格下落の影響を受けて低迷していましたが、それが剥落し、コア指数の上昇にも見られるように幅広い品目での上昇もあって、今後プラス幅を拡大しつつあります。

現在は、「川上物価」からの下落圧力減退と、底堅い内需を背景とした物価の底上げから、インフレ目標(+2%)達成に向けた展望が描ける環境になりかけていると見られます。年内の利上げについては、0~1回という見方が現在の市場コンセンサスですが、2回の可能性も出てきたと思われます。

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