豪州の金融政策(10月)~当面の豪ドル相場は?
2020/10/06
<投資信託>
- 政策金利、3年金利誘導水準を0.25%で据え置きでした。利下げ期待で3年金利がやや低下しています。
- 雇用環境改善が鮮明化し、新型コロナウイルス感染再拡大で揺れた消費マインドも再び改善しています。
- 豪ドル相場は、リスク回避指向が強まり反落も、景気回復方向変わらず、次第に底堅くなると考えます。
内需の先行きに明るさ
本日、オーストラリア(豪州)準備銀行(Reserve Bank of Australia、以下、RBA)が定例理事会を開き、政策金利(オフィシャル・キャッシュ・レート、OCR)と3年金利の誘導水準を0.25%に据え置きました。市場では利下げ期待が強まり、3年金利は0.2%を割り込んでいました。債券の累積購入額は633億豪ドル、うち国債は522億豪ドルで、現在の中長期国債発行残高(約7500豪ドル)の7%程度になります。また、貸出残高の5%を上限とする期日物資金供給は800億豪ドルを超えました。期限は2021年6月までで、銀行はさらに1200億豪ドルの資金を調達できます。
金融緩和が続けられる中、豪州では雇用環境の改善が鮮明化してきました。8月の失業率は6.8%と大きく低下しました。コロナ禍の中、雇用者数は907万人減少しましたが、8月時点でそのうち482万人を回復しました。また、消費者信頼感指数が改善しています。新型コロナウイルスの感染が再拡大した影響から7、8月と急落しましたが、現在はほぼ沈静化しており、9月は急速に改善しました。企業の景況感も、夏場にもたつきましたが、足元は再び改善しています。
豪ドルは目先は神経質な局面も
豪ドル相場は、米国株の急落をきっかけに市場のリスク回避指向が強まり、9月は反落しました。ただし、下旬以降は反発しています。景気回復傾向の鮮明化に加え、波乱を巻き起こした米国市場も落ち着いてきたためと見られます。
世界的には、米国大統領選挙の行方が当面の不透明要因で、リスク資産価格に対する抑制要因になると見られます。目先は神経質な局面も考えられますが、景気回復方向は変わらないと見込まれ、次第に底堅い展開になっていくと考えています。
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