アムンディ・ヨーロッパ通信~独裁政権を追い込む経済不振(ベラルーシ)

2020/08/21

 

6選に国民がNo

東欧の旧ソ連の一国であったベラルーシでは、8月9日の大統領選挙で、ルカシェンコ大統領が得票率80%で6選を決めました。これに対して、選挙結果を認めないとする国民による大規模なデモが首都のミンスクで発生し、辞任する可能性も出てきています。ベラルーシは、独立した1991年以来、西欧諸国とは一線を画し、ロシアとの経済関係を重視してきました。特に、ルカシェンコ氏が大統領に就任した1994年以降は、社会主義を標榜してロシアとの一体感を強め、独裁的な政権運営が目立っていました。

経済成長の重要性を再認識

ベラルーシ経済は、リーマンショック以降の2010年代は停滞が続いていました。この間、EU(欧州連合)に加盟したバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)の所得水準との開きは拡大しており、1991年当時はバルト三国の43%だったものが、2020年(IMF予想より推計)は36%に低下すると見込まれます。2010~2019年の所得の年平均伸び率は+1.1%とバルト三国の+4.3%とは大きな開きがありました。経済不振は、特に独裁色の強い政権では政権崩壊の原因となりやすく、経済を成長させることの重要さを改めて認識させる出来事です。

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