ユーロ圏の7月景況感について
- ユーロ圏の7月景況感指標は、経済活動再開の広がりを受け順調に改善、先行き期待も高水準です。
- 一部に経済活動の再規制の動きもありますが、全体として景気回復の方向は変わらないと思われます。
- 復興基金の合意達成で、ユーロ圏は着実な景気回復の道筋が得られ、通貨、株価は好感する流れです。
強い先行き期待を維持
ユーロ圏の7月景況感指標は、経済活動再開の広がりを受けて順調に改善しました。IHSMarkitが発表したPMI(総合)は、前月比+6.3の54.8と、5ヵ月ぶりに景況感の好悪の境目である50を上回りました。製造業が同+3.7の51.1、サービス業が同+6.8の55.1と、両方がそろって50を上回ったのは2019年1月以来です。また、CESifoが発表したドイツ企業景況感指数(ifo指数)は前月比+4.2の90.5(2015年=100)でした。2月以来の90超えです。
市場参加者を調査対象とする景況感指標では、ZEW指数(期待)は前月比+1.0の+59.6と高水準を維持しています。ユーロ圏の景気が、年内から来年前半にかけて順調に回復することが示唆され、7-9月期についてはV字ほどではないものの、しっかり回復すると見込まれます。
※ZEW指数:ドイツの調査機関ZEW(欧州経済研究センター)がアナリスト、機関投資家、市場関係者に対するアンケート調査を基に算出
◇センティックス経済信頼感指数:ドイツの調査会社センティックス社が個人投資家、機関投資家に対するアンケート調査を基に算出
米国と比べた安定感も追い風
7月21日、EU(欧州連合)が総額7500億ユーロの復興基金で合意を達成し、年内は各国の景気対策、2021年以降は復興基金による景気下支えの道筋ができました。市場は期待先行で、ユーロは堅調、ユーロ圏株式も底堅く推移してきました。
新型コロナウイルスの感染拡大で、一部では経済活動再規制の動きも見られますが、全体的には景気回復の方向は変わらないと考えます。ユーロ相場、株価は、ここまでのコロナ禍からの経済正常化を前向きにとらえ、対中関係悪化に揺れる米国に対してもより安定感があり、当面は底堅く推移すると期待されます。
※ユーロ・ストックス指数はSTOXX Limitedが発表しており、著作権はSTOXX Limitedに帰属しています。
アムンディ・マーケットレポートはこちら
アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会