中国経済の動向(2020年4-6月期GDP)~市場の行方は?

2020/07/16 <>
  1. 実質GDPは前年同期比+3.2%でした。内需が回復も、外需のリバウンドが大きく貢献したと見られます。
  2. 2020年は+2%を割り込む低成長が予想されますが、年後半は+5%台半ばの成長が期待されます。
  3. 株高、通貨高となっていますが、株価は割高感が出てきており、実績確認の段階に入ったと見られます。

年後半は着実な景気回復へ

本日、中国国家統計局が発表した2020年4-6月期の実質GDPは前年同期比+3.2%、前期比は+11.5%でした。内容は未発表なので関連する経済指標を見ると(4-6月期の前年同期比)、小売売上高は-4.0%、固定資本投資は-6.6%です。いずれも1-3月期が2ケタ減であったのと比べると改善しましたが、依然としてマイナスです。実質GDP成長率をプラスに押し上げたのは外需のリバウンドと見られます。貿易収支は1-3月期の131億ドルの黒字にとどまったのに対し、4-6月期は1547億ドルの黒字に急拡大しました。

年後半は、世界的に経済活動再開のすそ野が広がったこともあり、輸出の回復本格化が期待されます。それと同時に、国内での企業活動の活性化(鉱工業生産の回復など)が景気を押し上げる方向に働くことが期待されます。アムンディでは、2020年の実質GDP成長率を+1.9%と予想しています。これを実現するには、最低でも+5%台半ばの前年比成長ペースが必要になる計算となります。新型コロナウイルスの感染状況は不透明要素ですが、世界各国が景気回復の優先度を高めていることなどを考慮に入れると、十分期待できる水準ではないかと考えます。

市場は期待先行の動き

中国の株式、為替市場では、最近の経済指標の改善を好感して株高、通貨高の傾向にあります。特に株価の上昇が目立ちます。

景気回復期待の高さから、株価は基本的に底堅い展開が予想されますが、短期間で大幅に上昇したため、上海株式市場では割高感が強まっています。今後は、景気や企業業績の実績を確認しつつ、上昇余地を探る展開になっていくと考えます。

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