米企業の景況感(6月)について
- ISM景気指数は急上昇しました。経済活動再開が広がり、初期的な反動で一気に業況拡大に振れました。
- コロナの感染再拡大を受け、一部の州が再度経済活動を制限するなど、業況の先行きは不透明です。
- 金融緩和が当分続けられ、経済正常化への流れは基本的に変わらず、株価は底堅いと考えます。
活動停止状態が再開したことで急速に改善
ISM(全米供給管理協会)が発表した6月PMI(製造業・景気指数)は、前月比+9.5の52.6、NMI(非製造業・景気指数)は同+11.7の57.1でした。経済活動再開が広がり、それぞれ4ヵ月ぶり、3ヵ月ぶりに業況拡大、縮小の境目である50を上回りました。経済活動が止まっていたものが動き出したので、DI※である同指標は急上昇しやすい特徴があることを考慮に入れると、経済活動の水準はまだ高くないと見られます。(※DI(ディフュージョン・インデックス)=業況拡大の回答割合-業況縮小の回答割合)
構成指数では、生産指数(NMIは活動指数)、新規受注指数が急上昇、雇用指数も大幅に上昇しました。また、経済活動再開で物流障害が緩和されたと見られ、納品指数(受注から納品までの期間の長短を測る指数)は大幅に低下しました。7月以降も50を上回る可能性が高いと見込まれますが、今後は、大方業務を再開した後の業況を測ることになります。コロナの感染再拡大で一部の州が経済活動を再度制限するなど、先行きはまだ不透明と言わざるを得ません。
コロナに左右されながらも経済正常化は変わらず
米国市場では、金利水準が低位に張り付く一方、株価は底堅い展開となっています。6月上旬までは、先行きに対する楽観論から株高、金利上昇が進行しました。しかし、コロナの感染再拡大に対する懸念が強まり、楽観論が剥落し、株価が急落、金利が急低下して以降はもみ合いが続いています。
コロナ禍が本格化する以前から、経済正常化はコロナの感染状況次第と見ていたため、市場の神経質な反応はある程度想定された動きです。金融当局が、コロナから立ち直るまで金融緩和の継続姿勢を鮮明にしており、長短金利は低位安定が予想されます。コロナの影響を受けつつも経済が正常化する方向は変わらないと見られ、株価の下落リスクは小さいと考えます。
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