ズームイン・インディア~積極化する景気対策-市場への影響は?
景気減速を受けて、インド準備銀行(RBI、インドの中央銀行)が4日、政策金利であるレポ金利を0.25ポイント引き下げたほか、インド政府が法人税減税を発表するなど、景気浮揚への対策がより積極化しています。
財政、金融両面で景気刺激狙う
RBIは10月1~4日に金融政策委員会を開き、政策金利であるレポ金利を5.4%から5.15%へ0.25ポイント引き下げました。金融政策委員会は偶数月に開かれ、2月の会合から5回連続の利下げとなりました。2019年4-6月期の実質GDP成長率が前年同期比+5.0%と、約6年ぶりの低水準にとどまり、内需を刺激する必要がありました。8月のCPIが前年同月比+3.2%と低位で推移していることもあり、年内に追加で利下げが実施される可能性もあります。
また、インド政府は9月20日、投資刺激策として法人税減税を発表しました。実効税率(実際の税額の法人所得に対する割合)を30%から25%へ、新規に法人格を取得した企業には一定の条件の下で17%とします。これで、企業への投資を活性化させ、景気回復を目指します。
年内には各政策の効果で株式に追い風か
インド株式市場は7月以降伸び悩んでいます。法人税減税が好感され、SENSEX指数は9月20日、前日比+5.3%と急騰しましたが、景気先行き不安が根強く、上昇が続きません。
RBIは、2019年度(4月~翌年3月)の実質GDP成長率を下方修正(+6.9%→+6.1%)しました。しかし、年度後半に景気が上向くという見方は変えていません。市場参加者の企業業績に対する見通しも依然として強気です。現在は、まだ先行き不安がありますが、これまでの金融緩和の効果が年内にも徐々に出てくるほか、法人税減税によって経済活動が活性化してくると見込まれ、株式市場には追い風になっていくと期待されます。景気回復期待が高まれば、これまで軟調であったルピー相場も落ち着くと考えます。
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