FOMCについて~今後の金融政策と為替相場の展望

2019/06/20 <>
  1. 政策金利は据え置きでした。景気を底堅く見る一方、物価見通しについては下方修正が目立ちました。
  2. 先行きに対する不確実性の増大が警戒されており、年内に利下げに踏み切る可能性が出てきました。
  3. 市場は年内に数回の利下げを織り込んでおり、円高ドル安はすでにそれを織り込んだ水準と考えます

利下げ想定に修正

18-19日に開かれたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF金利誘導水準が2.25-2.5%で据え置かれました。雇用環境が依然良好な中、インフレは引き続き安定しているとの認識でした。

四半期毎に発表されるFRB(米連邦準備理事会)メンバーと連邦準備銀行(連銀)総裁による経済見通しでは、実質GDP成長率は2020年を上方修正、失業率は2019~2021年すべて下方修正と、景気は良好と見込まれています。一方、インフレ率(PCE価格指数)は2019、2020年が下方修正され、目標である+2%を下回ると見込まれています。

委員会終了後に発表された声明文では、先行きに対する不確実性が増大しており、最大雇用と物価安定という二大目標に照らして、景気拡大の持続に向けて適切に行動する旨の記述がありました。これは、利下げを示唆していると見られ、年内にも利下げに踏み切る可能性が出てきたと考えられます。なお、FF金利誘導水準の見通しは、2020、2021年が下方修正され、2020年末は2.1%と0.25%の利下げが想定されています。

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十分織り込み?

市場はすでに、年内複数回の利下げを織り込んでいます。FF金利先物市場から算出された2019年末のFF金利のコンセンサスは現在1.6%程度です。これは0.75%程度の利下げを想定した水準です。

3月頃からコンセンサスの動きにほぼ沿って円高ドル安が進行しましたが、残り半年で0.75%の利下げはかなり思い切った前提と見られ、ドル・円相場は今後の利下げを十分に織り込んだ水準と考えます。

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