英国の金融政策について~インフレレポートと為替相場の行方

2019/05/08 <>
  1. 金融政策委員会(MPC)は政策金利を0.75%に据え置きました。安定したインフレの下で様子見です。
  2. 四半期インフレレポート(QIR)では、インフレ率が下方修正され、利上げの時期は後ずれとなりました。
  3. EU離脱を意識した金融政策スタンスから、景気は離脱後比較的早期に持ち直すと予想されています

利上げ時期はさらに遠のく

イングランド銀行(英中央銀行、以下、BOE)は1-2日のMPCで、政策金利を0.75%に据え置きました。CPIは3月で前年同月比+1.9%、コアは同+1.8%と、目標としている+2%弱でおおむね安定しており、様子見となりました。

また、同日BOEが発表した四半期インフレレポート(QIR)では、Brexit(英国のEU〔欧州連合〕離脱)の経済的な影響をBOEが警戒する姿勢が続いている様子がうかがわれました。CPIは、2019年10-12月期以降が下方修正されました。原油安の影響が考慮され、+2%に乗るのは21年以降とされました。これを受けて、政策金利については利上げ時期がさらに1~2四半期後ずれし、2020年末までに利上げできるかどうか微妙な情勢になってきました。

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ポンドは当面材料難も次第に切り上がり

ポンド相場(対ドル)は、2018年夏場以降、1ポンド1.25~1.33ドルのレンジで方向感なく推移しています。足元では、Brexitの期限が10月末まで延期されたことから、相場を動かず材料が国内的には少なくなり、ドルの動きに左右されています。

先行きについては、Brexitは何らかの結論が出ると見込まれること、国内景気が大きく落ち込まないのに加え、米国景気は今しばらく減速傾向が続くことを背景に、ポンドはやや強い展開となり、途中Brexit関連で波乱はあっても、年末までに1ポンド1.35ドル前後へ切り上がる展開を想定しています。

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