米国の19年1-3月期GDP統計速報~ドル・円相場の行方は?
- 実質GDPは前期比年率+3.2%でした。全体は加速したものの、国内最終需要の減速が目立ちました。
- 減速傾向は年末年始が底であったと見られ、個人消費、設備投資等には底打ちの兆候が見られます。
- 当面は減速傾向が残ることや、足元では米中貿易交渉への懸念もあり、ドル高になりにくいと考えます。
年末年始が底?
26日、米商務省が発表した19年1-3月期の実質GDP(速報)は、前期比年率+3.2%でした。2期ぶりに+3%台に回復しました。国内の経済活動に、減速の流れが続いているようすが見られました。
個人消費は前期比年率+1.2%と、前期の同+2.5%から減速しました。1-2月に自動車販売が減少したことから、耐久財消費が同-5.3%となったことが影響しました。また、設備投資が同+2.7%と、前期の同+5.4%から減速しました。うち、建設投資が同-0.8%、機械投資が同+0.2%と伸び悩みました。一方、外需(純輸出、輸出-輸入)の実質GDP(前期比年率)に対する寄与度が+1.0%と、3期ぶりのプラスでした。輸入が前期比年率-3.7%となり、プラス寄与となった(輸入はGDPのマイナス項目で、輸入の減少はGDPに対してプラスに寄与)影響が大きく、国内需要の減速が反映されたものと思われます。
ただし、関連する経済指標を月次でたどると、おおむね11月から2月に景気が最も減速し、3月以降は底打ちしつつあります。アムンディでは、これまでの利上げ効果で年前半は減速傾向が続くものの、その後は持ち直しに転じ、+2%台の成長ペースを維持すると予想しています。
当面はドルに下方圧力残る
ドル・円相場は、世界的な景気減速が懸念され、年末年始にかけてドル安・円高が進行しましたが、その後は緩やかなドル高傾向となっています。
年明け後、利上げ休止の観測が急速に強まり、景気の先行き不安が後退したことが、ドルが持ち直した背景にあると思われます。それでも、当面は景気減速が続くことから、長短金利の水準が一致もしくは逆転するような市場環境の中で、ドルの上昇は抑えられると見込まれます。大きく105~115円のレンジの下半分(105~110円)を中心に推移するのではないかと考えます。
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