ユーロ圏の2月物価・1月雇用~ユーロ相場の展望
- 2月HICPは総合が前年同月比+1.5%、コアが同+1.0%。依然として低位が続いています。
- 1月失業率は7.8%と、金融危機後の最低を更新しています。中心国で失業者減少が目立ちました。
- 米欧金融当局双方が正常化を緩め、ユーロ相場は様子見で小幅な値動きになると見込まれます。
景気減速が若年層の雇用に影響
Eurostat(EU統計局)が1日発表した2月のHICP(速報)は、総合が前年同月比+1.5%、コアが同+1.0%でした。総合は前月比+0.1ポイントで、食品が同+2.4%で前月比+0.6ポイント、エネルギーが+3.5%で同+0.8ポイントと上昇し、総合を押し上げました。コアは前月比-0.1ポイントでした。動きの激しい外泊費、旅客サービスが鈍化し、コアを押し下げたと見られます。全体として低インフレは変わらず、ECB(欧州中央銀行)が目標とする+2%弱を下回り続けています。
また、同日発表された1月の失業率は7.8%でした。1月が0.1ポイント下方修正されて7.8%となったため前月比横ばいでした。失業者数は前月比-2.3万人と幅は縮小したものの18ヵ月連続で減少しました。スペイン、フランス、ドイツで減少が目立ちました。全体的には若年層の減少が鈍っており、最近の景気減速の影響が、雇用変動が激しい若年層に出ていると見られます。
方向感を見極める展開
ユーロ相場は、世界的な景気減速で米国の利上げ打ち止めが近付いたとの見方から、18年秋以降対ドルで下げ止まり、その後もみ合いとなっています。
米欧金利差が縮小しています。3ヵ月LIBOR(ロンドン銀行間金利)で見ると、18年12月に3.1%台(ドル:2.8%、ユーロ:-0.3%)を付けた後、足元では2.9%台(ドル:2.6%、ユーロ:-0.3%)となっており、ユーロを下支えていると見られます。一方、ECBも低インフレを受けて正常化を緩めつつあり、利下げこそないものの、資金供給の強化を検討しつつあります。米欧双方の金融政策スタンスが緩和方向に傾いているため、ユーロ相場は当面様子見で、小さい値動きに終始すると見込まれます。
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