このまま戻り基調は続くのか?

2015/08/28

今週の国内株市場も前週からの下落基調を引き継ぎ、急落スタートとなりました。日経平均は週の前半に17,700円台の水準まで下落し、その後はひとまず持ち直す展開に転じ、27日(木)の取引は18,680円でスタートしています。

本格的な日経平均の急落が始まったのは19日(水)からですが、この日のスタートが20,467円でしたから、一週間あまりの間に2,753円以上も下落したことになります。27日(木)のスタートはこの下落幅から3割ちょっと戻したわけですが、このまま再び2万円台の水準まで戻り基調を辿ることができるのでしょうか?

足元の下落を止めたのは、急落による自律反発期待もありますが、世界同時株安そのものが米国の9月利上げ観測を後退させたこと、中国の金融当局が利下げや流動性供給を相次いで行ったことなど、「しばらくは金融緩和傾向が継続するだろう」的な材料が相場を落ち着かせたと考えられます。

とはいえ、株価下落の背景となっている「世界景気への懸念と、米国利上げ観測の相乗効果」への警戒そのものは解かれたわけではありません。金融相場で支えられた相場は不安定になりやすく、来週末の米雇用統計まで米国の経済指標の発表が多く予定されていますが、その結果が強すぎるものになれば利上げ観測が強まることになりかねないため、相場が乱高下する場面がありそうです。

今のところ、国内企業の業績期待が相場を支えるという見通しに大きな変化はなそうですが、これまでは、「先行きへの楽観視をベースに、時折顔を出す悪材料で株価が調整する」展開だったのが、今後は「先行きへの不安視をベースに、懸念材料が後退することで株価の戻りを試す」展開へと変化した可能性があるため、悪材料に反応しやすい点には注意が必要です。

日経平均をテクニカル分析の視点で捉えると、足元の水準は週足チャートの52週移動平均線を下回る場面がありましたが、これは昨年(2014年)の10月以来です。ちょうどこの時は米国のテーパリング(量的緩和の縮小)が終了し、「利上げはいつになるのか?」が意識され始めた頃です。

当時の日経平均は14,500円台で、その後(2014年10月末)のいわゆる日銀サプライズ緩和をきっかけに上昇基調入りとなりました。一方、当時の米国株(NYダウ)は16,000ドル台で足元の水準とほぼ同じです。そのため、足元の米国株の調整は利上げを織り込み、調整が一巡したと考えられるため、利上げに伴う新興国株市場の動向をにらみつつも、米国株市場が復調できるかがポイントとなりそうです。

 

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