中国のPMIについて
今週の日経平均は20,500円台を中心に比較的堅調で、重たいながらも上値をうかがう動きが続いています。値動きの幅自体はこれまでのところ狭くなっているため、方向感に乏しいですが、7月の月間値幅が1,700円を超えていた荒っぽい展開に比べれば、足元の落ち着きは心地良い小休止なのかもしれません。
落ち着いていると言えば、6月下旬から7月上旬にかけて国内外の市場から警戒されてきた中国株市場も、日々の値動きはまだ少々荒い場面が見られるものの、上海総合指数は概ね3,500~4,000ポイントの範囲にとどまっています。とはいえ、途中で前日比8%超の急落があったりするなど、まだまだ警戒しておく必要がありそうです。
また、中国の経済指標を見ても、景気減速懸念を払拭するに足るものはまだ出てきていません。今週は7月の財新製造業PMIの改定値が発表されましたが、47.8という結果となり、景況判断の分かれ目とされる50を5カ月連続で下回ったほか、速報値(48.2)からも下方修正されました。
中国のPMIには、国家統計局と物流購入連合会が発表する、いわゆる公的なPMIと、マークイットと財新という民間会社が発表するPMIの2種類があります。今回下方修正となったのは後者のPMIです。ちなみに、こちらはこれまでHSBC版PMIなどと呼ばれていましたが、スポンサーがHSBCから財新という情報配信会社に移ったことで、7月発表分からは財新版PMIに名称が変わることになります。
話が少し逸れてしまいましたが、今回のPMIの結果(47.8)に注目しますと、「やっぱり中国の景気減速は深刻」のような印象を受けますが、少し過去に遡ってみると、2014年3月(48.0)、2013年7月(47.7)、2012年8月(47.8)と、今回と同様の水準になることはさほど珍しくありません。注目したいのは節目の「50割れ」がどれだけ続いているかです。直近では5カ月連続ですが、これは2014年1月~5月に並ぶ記録です。今後発表される8月分が50を割れると記録更新になるわけです。
さすがに半年も景況感が良くないと、実体経済にもジワジワと悪影響が意識され始めるかも知れません。もっとも、前回も指摘した通り、10月開催予定の「5中全会」を材料に政策期待が相場の材料となる可能性もありそうですが、その一方で足元で相場を支えている当局の株価対策の出口戦略との綱引きになることが予想されるため、足元の相場の落ち着きは「束の間」なのかもしれません。
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