ラクス<3923> 19 年 3 月期は「楽楽精算」の成長のほか、ポートフォリオ拡充の動向に注目
中小企業の業務効率化のためのクラウドサービスを提供
19 年 3 月期は「楽楽精算」の成長のほか、ポートフォリオ拡充の動向に注目
業種: 情報・通信業
アナリスト: 藤野敬太
◆ 会社概要
・ラクス(以下、同社)は、中小企業向けに、業務効率化に資するクラウドサ ービスを提供している。月額課金型をベースとしたサブスクリプションモ デルにより、ストックビジネスとして展開されている。
・現在の主力サービスは、受信メールを一括管理する「メールディーラー」 と、交通費や経費の精算のための「楽楽精算」である。
◆ 18年 3月期決算
・18/3期決算は、売上高6,408百万円(前期比29.9%増)、営業利益1,241 百万円(同 27.2%増)で、期初会社計画に対する達成率は、売上高、営 業利益ともに 105.9%となった。注力する「楽楽精算」がクラウド事業の増 収を牽引し、成長投資と位置付けている費用の増加を吸収した。
◆ 19年 3月期業績予想
・19/3 期業績について、同社は売上高 8,430 百万円(前期比 31.5%増)、 営業利益 1,376 百万円(同 10.9%増)を予想している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、19/3 期の業績予想を、 売上高8,496百万円(同32.6%増)、営業利益1,427百万円(同15.1%増) とした。引き続き、積極投資を行っている「楽楽精算」が増収を牽引し、人 件費、広告宣伝費等の増加を吸収するものとした。
◆ 今後の注目点
・当センターでは、20/3期以降、年30%程度の増収が続き、21/3期に売上 高営業利益率が 20%弱まで上昇すると予想している。注目点は、引き続 き積極投資が続く「楽楽精算」の売上拡大のペースと、成長投資とする費 用の増加とのバランスである。
・「楽楽精算」の成長に加え、クラウド事業のサービスポートフォリオの拡充 に向けた動きからも目が離せなくなってきた。18/3 期に買収した連結子 会社のほか、新規サービスの開発や「楽楽精算」以外のサービスでの成 長に向けた投資が活発化する兆しがあり、中長期で売上高の年平均成 長率 30%という同社の目標が実現するかに注目しておきたい。