ロゼッタ<6182> 19年2月期は技術的なブレイクスルーを受けてのMT事業の受注獲得ペース次第
機械翻訳主体の世界の創造に邁進する翻訳サービス会社
19年2月期は技術的なブレイクスルーを受けてのMT事業の受注獲得ペース次第
業種: サービス業
アナリスト: 藤野敬太
◆ 会社概要
・ロゼッタ(以下、同社)は、産業分野に特化した翻訳サービスを提供して いる。人間翻訳から機械翻訳までをグループ内で網羅しているが、10 年 以上の開発を続け、機械翻訳主体の世界への転換を目指している。
◆ 18年 2月期決算
・18/2 期決算は、売上高 2,006 百万円(前期比 5.2%増)、営業損失 12 百 万円(前期は 226 百万円の利益)となった。MT(Machine Translation) 事業での開発等の費用の増加と、翻訳精度の向上で需要減退が生じた 可能性があるクラウドソーシング事業の伸び悩みが目立った。後者に関 係してのれんを全額減損処理したため、減損損失1,138百万円が計上さ れ、親会社株主に帰属する当期純損失は1,214百万円にまで拡大した。
◆ 19年 2月期業績予想
・MT 事業でのフェーズの転換期を迎え、受注獲得最大化に注力するた め、同社は 19/2 期からは固定値としての会社計画の開示を取りやめた。 代わりに、売上高は 2,006 百万円以上、営業利益 226 百万円以上と、と もに過去最高の水準を超えることを 19/2 期業績目標の目安とした。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、19/2 期の業績予想を、 売上高2,196百万円(前期比9.4%増)、営業利益148百万円(前期は12 百万円の損失)へ修正した。MT 事業の前期比 40%増収が全体の売 上高の増加を牽引する一方、販管費の伸びが抑制されるという前提 で黒字化すると予想した。
◆ 今後の注目点
・当センターでは、20/2 期以降、受注獲得に注力する MT 事業の年 50% 増収が牽引する形で年 12%~15%の増収が続き、営業利益は金額では 20/2 期に 17/2 期の水準に近づき、売上高営業利益率では 21/2 期に 10%を超過するものと予想した。
・同社が指摘する通り、MT 事業での受注獲得のスピードと費用のかけ方 が当面の注目点となろう。