ベガコーポレーション<3542> ブランド認知度向上によるビジネスモデル強化と越境 EC 育成が今後の焦点

2018/02/15

「LOWYA」を主力ブランドに家具・インテリア分野の EC を展開する企業
ブランド認知度向上によるビジネスモデル強化と越境 EC 育成が今後の焦点

業種:小売業
アナリスト:藤野敬太

1.会社概要
・ベガコーポレーション(以下、同社)は、家具・インテリア分野でECを展開 している。自社企画の商品を海外の協力工場で製造し、日本に輸入して ユーザーに供給するビジネスモデルを有するのが特徴である。また、越 境 EC プラットフォームの運営も手掛けている。

2.財務面の分析
・11/3 期~17/3 期は単体ベースでは、年平均 32.5%の増収、同 30.5%の 経常増益であった。同期間中は 6 期連続の増収だったが、消費税率引 き上げの影響を受けた 15/3 期に一度減益を経験した。
・家具・インテリア分野で実店舗を有する大手小売企業との比較では、固 定長期適合率での優位性が目立つ程度で、収益性では特段の優位性 はない。実店舗を持たない類似企業との比較では、収益性や安全性に おいて総じて優位性がある。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、組織資本に属するプロセスにある。各プロセ スが磨き上げられ、それらが有機的に結合することで D2C のビジネスモ デルとして成立する。その結果、ユーザーの嗜好に合った商品投入が可 能となり、流通総額の拡大を通じて顧客資産の蓄積につながっている。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題には、大手ショッピングモールに対する高い依存度、ブ ランド認知度の低さ、越境 ECプラットフォームの強化が挙げられよう。 ・国内の家具 EC 事業では、商品数拡充、自社ブランドの認知度向上、物 流の効率化により、ビジネスモデルの強化を図っていく。また、越境 EC プラットフォーム事業での流通総額拡大と、新規事業育成を目指す。

5.アナリストの評価
・07 年以降、自社で抱える在庫のリスクに正面から向き合ったことで、現在 の D2Cのビジネスモ3542180216デルが確立した点を評価する。ビジネスモデルの完 成度を上げるための当面の課題は、自社ブランドの知名度向上である。 一方、広告宣伝費や研究開発費をかけ続ける局面にあり、売上高や原 価率に変調をきたした際の業績のぶれの可能性には留意しておきたい

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。