フィル・カンパニー<3267> プロジェクト件数の増加と比例して業績は順調に拡大中
駐車場の上部空間を店舗として利用する空中店舗フィル・パーク事業を手掛ける
プロジェクト件数の増加と比例して業績は順調に拡大中
業種:建設業
アナリスト:佐々木加奈
1.会社概要
・フィル・カンパニー(以下、同社)は、コインパーキングを中心とする駐車 場の上部空間を利用した空中店舗フィル・パーク事業を展開している。
・従来は未利用であった、コインパーキングの上部空間を店舗として活用 することで、「駐車場+空中店舗(建物)」という新たな常識と価値を創造 することを目指して事業に取り組んでいる。17年11月末時点の累計プロ ジェクト件数は 123 件となっている(未竣工のプロジェクトを含む)。
2.財務面の分析
・06年の第1号竣工からプロジェクト数は順調に増加し、業績は拡大基調 にある。18/11期の会社計画は59.3%増収、72.1%営業増益と、売上高、 営業利益ともに過去最高を見込んでいる。
・他社との財務指標比較では、同社の成長性の高さが際立っている。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、空中店舗フィル・パークという独自の土 地活用方法を開発し、自社で一貫して提供できる効率的な体制を構 築してきた点にある。結果として、受注プロジェクト件数が順調に増加 し、業績拡大につながっている。
4.経営戦略の分析
・同社では、フェーズⅠ(開発販売スキームの構築)が順調に進行し、 現在はフェーズⅡ(顧客層の拡大)に着手した段階としている。開 発販売スキームとは、同社が土地を購入してフィル・パークを建設 し、一般投資家や機関投資家に販売するという新スキームである。 今後は、フェーズⅢ(Online 不動産マーケットの創出)に取り組み、 持続的な成長につなげることを目指している。
5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、市場環境は同社にとって追い風であり、 フィル・パークの受注件数増加が当面の業績拡大に寄与すると考え ている。
・18/11 期業績については会社計画並みの水準を予想、19/11 期及び 20/11 期についても二桁増収増益を予想している。