農業総合研究所<3541> 18 年 8 月期は将来の体制固めに向けた費用増で営業赤字計画

2018/02/06

新しい農産物流通モデルの「農家の直売所」を運営する農業関連ベンチャー
18 年 8 月期は将来の体制固めに向けた費用増で営業赤字計画

業種:卸売業
アナリスト:藤野敬太

◆ 会社概要
・農業総合研究所(以下、同社)は、各地の農業生産者から集荷した農産 物を、集荷翌日には都市部のスーパーマーケット等の小売店舗の直売 所コーナーで販売する「農家の直売所」の流通モデルを運営している。

 ◆ 17年 8月期決算
・17/8 期の連結業績は、売上高が 1,659 百万円(前期比 38.9%増)、営業 利益が 131 百万円(同 16.3%減)となった(17/8 期より連結決算開始のた め、前期比は単体業績との比較)。流通総額と営業利益で期初想定の 水準に届かなかった。同社では物流プラットフォームに原因があったとし ている。

 ◆ 18年 8月期業績予想
・18/8 期連結業績について、同社は売上高 2,270 百万円(前期比 36.8% 増)、営業利益は 100 百万円の赤字(前期は 131 百万円の黒字)を予想 している。流通総額は前期比27.0%増の一方、物流再構築、IT 強化、人 員増強等の将来投資のための費用増で、営業赤字になるとしている。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、18/8 期の連結業績予想 について、売上高は 2,206 百万円(前期比 32.9%増)、流通総額 9,046 百万円(同 27.6%増)、営業赤字 45 百万円とした。同社が想定する体制 再構築のための費用増や子会社の赤字等を織り込んだ。

 ◆ 今後の注目点
・当センターでは、19/8期以降、流通総額は年25~27%の増加が続き、ま た、体制強化のための先行投資の縮小、海外子会社の赤字縮小で、 19/8 期に営業黒字回復、20/8 期に 17/8 期の水準までの売上高営業利 益率の回復を予想した。
・19/8 期以降の営業利益の回復は、18/8 期の物流再構築や人員体制の 強化の可否にかかっており、その進捗に留意したい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。