東京ボード工業<7815> 17 年 8 月の新工場の稼働と新たな生産品目の販売状況に注意したい

2017/02/10

首都圏を地盤とする廃木材のリサイクル企業
17 年 8 月の新工場の稼働と新たな生産品目の販売状況に注意したい

業種:その他製品
アナリスト:大間知 淳

◆ 廃木材をパーティクルボードに再生するリサイクル企業
・ 東京ボード工業(以下、同社)は、建設・解体現場で発生する木質 廃棄物をグループ会社で収集運搬を行い、自社工場でチップ化した 後、成形加工してパーティクルボードに再生している。
・パーティクルボードは再びグループ会社によって建設現場に配送さ れており、同社グループ内だけで木材のリサイクルが完結している。

◆ 17 年 3 月期上期決算は 2%減収 11%営業増益 45%経常減益
・17/3 期第 2 四半期累計期間(以下、上期)の決算は、1.8%減収、10.5% 営業増益、44.7%経常減益であった。主力製品のパーティクルボードの 販売が OA フロア用途の加工品で落ち込んだものの、原油価格の低下 による材料費の減少により、営業増益を確保した。
・新工場の建設に伴い、資金調達費用が発生したため、経常利益は大幅 減益を余儀なくされた。

◆ 17 年 3 月期業績予想
・17/3 期について同社は、期初計画の 10.6%増収、2.6%営業減益を据え 置いた。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)は、上期実績を踏まえて従来 予想を見直し、売上高 6,085百万円→5,954 百万円(前期比 5.9%増)、営 業利益 463 百万円→494 百万円(同 7.9%減)に修正する。

◆ 新工場の稼働と新たな生産品目の販売状況に注意したい
・同社は千葉県に新工場を建設しており、最新鋭設備を導入して 17 年 8 月からの稼働開始を計画している。中期経営計画では、減価償却費が 急増する 18/3 期と 19/3 期は赤字を想定しているものの、償却負担が軽 減する 21/3 期の経常利益は 10 億円を超えると予想している。
・当センターでは課題の解決策として新工場の建設に乗り出した同社の経 営戦略を高く評価しているものの、新工場の稼働状況と新たな生産品目 の販売動向には注意が必要であると考えている。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。