鎌倉新書<6184 > 出版社からの業態転換の過程で築き上げられてきたビジネスモデルに着目
ライフエンディング業界でユーザーと事業者を仲介するインターネットメディアを運営
出版社からの業態転換の過程で築き上げられてきたビジネスモデルに着目
業種:サービス業
アナリスト:藤野敬太
1.会社概要
・鎌倉新書(以下、同社)は、人の供養に関係するライフエンディング業界 において、インターネットメディアを運営する事業を展開している。業界の 事業者に対してユーザーを紹介することで得られる成約報酬が主な収 益源である。また、祖業の出版事業も有している。
2.財務面の分析
・11/1 期~16/1 期は、5 期連続の増収で、売上高は年平均 30.7%増のペ ースで拡大してきた。一方、11/1 期に赤字だった経常利益は 12/1 期以 降は黒字で推移したが、他社との提携事業に伴う先行費用のため、14/1 期と 15/1 期は 2 期連続で減益を経験した。
・他分野で事業者とユーザーのマッチングサービスを行うネット企業との比 較では、成長ステージが似ていることもあり、収益性、成長性とも似たよう な水準にあり、高成長企業としての特徴が確認できる。
3.非財務面の分析
・17/3 期業績について、同社は売上高 3,466 百万円(前期比 15.0%増)、 営業利益 567 百万円(同 13.3%増)とし、期初予想を据え置いた。
4.経営戦略の分析
・対処すべき課題には、ユーザーへのインターネット活用の啓蒙、事業者 にとってのメリット増大の追求、他メディアとの提携の経験の蓄積がある。
・成約率を上げることを中心とした既存事業の深掘りのほか、周辺事業へ の進出を本格化させることで、中長期的にライフエンディング業界でのプ ラットフォームとしてのポジションを確立することを目指している。
5.アナリストの評価
・事業の再定義が成長の原点だが、ユーザーと事業者の両者が抱える課 題を適正に捉えた点がビジネスモデルを強くしている。価値と価格の橋 渡しのために自前のユーザー接点を重視することは、中長期的にブラン ド価値向上に資すると考える。