アルファポリス<9467> 「ゲート」アニメ化効果剥落と費用先行で17 年3 月期は利益伸長の低い期となろう

2016/07/19

IT を活用して小説や漫画を集めて書籍化するライトノベルに強い出版社
「ゲート」アニメ化効果剥落と費用先行で17 年3 月期は利益伸長の低い期となろう

業種:情報・通信業
アナリスト:藤野敬太

◆自社ウェブサイトで集めたコンテンツを書籍化する出版社
・アルファポリス(以下、同社)は、自社のウェブサイトに投稿された小説や漫画のなかから閲覧者の評価の高い作品を書籍化する出版社である。
・投稿者や閲覧者には課金せず、収益源はあくまで書籍出版である。売上高の約半分がライトノベルによるものだが、現在は漫画の育成に注力している。また、16/3期からはゲーム事業も開始した。

◆16年3月期決算
・16/3期決算は、売上高3,345百万円(前期比25.6%増)、営業利益905百万円(同14.2%増)となり、期初及び修正後の会社計画を上回った。
・主要作品に育った「ゲート」のテレビアニメ化により、関連書籍の多い漫画や文庫が大きく伸びた。一方、主力のライトノベルは、刊行点数の伸びが緩やかだったことに加え、好調だった前期の反動と、取引先の出版取次会社の民事再生法適用申請や自主廃業の影響により減収に転じた。

◆17年3月期の業績予想
・17/3期業績について、同社は売上高3,700百万円(前期比10.6%増)、営業利益921百万円(同1.8%増)と予想している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、17/3期の業績予想を、売上高3,947百万円(前期比18.0%増)、営業利益958百万円(同5.9%増)へと修正した。会社計画を上回る水準を予想するが、前回予想からは下方修正となっている。

◆今後の注目点
・当センターでは、中期業績についても、予想を引き下げた。ライトノベルの刊行点数が飽和状態に近づいている可能性が生じてきたこと、漫画の刊行点数の伸びを緩やかにしたこと、ゲーム事業の拡大を慎重に見たことが要因である。それでも、年18~22%の増収、年20%以上の営業増益が続くものと予想する。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。