TOKYO BASE<3415> 前期に立ち上げた新業態が軌道に乗り、17 年 2 月期も高成長持続

2016/07/04

日本発のクリエーションに特化したアパレル小売企業
前期に立ち上げた新業態が軌道に乗り、17 年 2 月期も高成長持続

業種:小売業
アナリスト:藤野敬太

1. 会社概要
・TOKYO BASE(以下、同社)は、日本国内のブランド商品に特化した セレクトショップ「STUDIOUS」と、国産衣料品に特化した自社ブランド 「UNITED TOKYO」の 2 つの業態を持つ。

2. 財務面の分析
・11/2 期~16/2 期は、売上高は年平均 56.5%、経常利益は同 75.4%の成 長率で拡大してきた。15/2 期までは STUDIOUS 業態のみでの展開で、 12/2 期の大量出店が軌道に乗った翌 13/2 期に経常利益率は 13.0%ま で急上昇し、以降、10%/台の利益率で推移してきた。
・実店舗を運営する同業他社に比して収益性の高さが目立つ。EC 販売 比率が大きいことや、在庫回転率の高さが要因として挙げられる。

3. 非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、事業を主導する 2 人の経営陣にある。CEO のファッション業界とブランドマネジメントに対する知見と、CFO が主導す る経営管理手法が機能してきたことで、同社のビジネスモデルを支える 要素の蓄積が進んできた。

4. 経営戦略の分析
・対処すべき課題としては、立ち上げ 2 年目の UNITED TOKYO 業態の 安定成長のための体制構築と、今後の成長のための人材の確保および 教育が挙げられる。
・既存業態の業容拡大、高収益を支える EC 販売の拡充、新業態の開発・ 投入が当面の成長戦略である。その上で、日本発クリエーションをコンテ ンツとするファッション・コングロマリットの確立を目指している。

5. アナリストの評価
・日本発のクリエーションの発信に対する強いこだわりと、他業界で使われ る経営管理手法の導入が、短期間で独特な業態を築くことができた最大 の要因と評価する。
・成長に対して組織や体制が追いつかない可能性が、当面のリスク要因と 考えている。組織の大規模化に伴い、高成長の持続のために、従来とは 別の組織運営の仕組みの検討が必要かもしれない。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。