日本アクア<1429> 16 年 12 月期に利益率が改善できるかに注目

2016/04/22

硬質ウレタンフォームの建築物断熱材の施工販売で全国展開する唯一の企業
16 年 12 月期に利益率が改善できるかに注目

業種:建設業
アナリスト:藤野敬太

◆ 会社概要
・日本アクア(以下、同社)は、建築物断熱材用の吹付け硬質ウレタンフォームの施工販売を行う企業である。施工体制を全国規模で持つのは同社のみである。

◆ 15 年 12 月期決算
・15/12 期決算は、売上高 14,406 百万円(前期比 10.6%増)、営業利益1,013 百万円(同7.2%増)となり、期初の会社計画(売上高 16,000 百万円、営業利益 1,309 百万円)を下回った。
・主力の戸建住宅向けが新規着工件数の持ち直しの勢いが緩やかだったこと、および、建築向けがゼネコンのウレタン採用の意思決定が遅れたことで、売上高が計画を下回った。利益面では、ウレタン製品の仕入価格の高止まりとリフォーム市場への参入のためのコスト増が影響した。また、製品不具合問題により、特別損失が発生した。

◆ 16 年 12 月期業績予想
・16/12 期について、同社は売上高 16,000 百万円(前期比 11.1%増)、営業利益 1,300 百万円(同 28.3%増)を予想している。
・証券リサーチセンターでは、16/12 期の業績予想を、売上高 16,326 百万円(前回 18,015 百万円)、営業利益 1,387 百万円(同 1,381 百万円)へと修正した。同社のシェア拡大のペースを緩やかな想定にして売上高を引き下げる一方、売上総利益率の改善のペースを引き上げ、前回とほぼ同水準の営業利益の予想とした。

◆ 今後の注目点
・来春に予定されている消費税率引き上げの影響を織り込み、17/12 期は売上高、利益ともに伸び率が鈍化すると予想するが、18/12 期には再度成長が加速すると予想する。
・売上高材料費率改善の柱である自社ブランド原料の使用の本格化は、同社が志向する総合ウレタンサプライヤーへの転換の一環とも言える。低下が続いた利益率の回復が確かなものとなれば、住宅の省エネルギー化の推進などの政策的な追い風に乗り、シェア拡大を伴いながら、業績拡大が加速する可能性がある。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。