モルフォ<3653> 足もとの業績好調に加え、デンソーとの資本業務提携で更なる事業拡大局面へ

2016/01/28

携帯・スマホ向け画像処理ソフトウェアの開発主導型ベンチャー企業
足もとの業績好調に加え、デンソーとの資本業務提携で更なる事業拡大局面へ

業種:情報・通信業
アナリスト:大竹 喜英

◆デジタル画像処理技術の研究開発主導型ベンチャー企業
・モルフォ(以下、同社)は東京大学出身の技術者を中心に、04年5月に設立されたデジタル画像処理技術に特化したベンチャー企業である。
・国内外の携帯電話及びスマートフォン端末機器メーカーを主な顧客として、ソフトウェア・ライセンス事業を展開している。15/10期の事業別売上構成比はロイヤリティ収入が91.2%を占めている。

◆画像処理ソフトは静止画から動画高速再生やパノラマの世界へ
・スマートフォンの普及や用途拡大に伴い、画像処理は静止画手ブレ補正から動画高速再生や360°高解像度パノラマ生成などへ進化し、同社が牽引する形でソフトウェア開発が進展している。

◆16年10月期も業績拡大が続く
・証券リサーチセンター(以下、当センター)は、同社ソフトウェアの認知度が世界的に向上していることや、新製品ソフトウェアの評価が高いことなどを考慮し、16/10期連結業績を売上高2,600百万円(前期比27.6%増)、営業利益950百万円(同28.0%増)、当期純利益630百万円(同4.2%増)と予想した。

◆デンソーとの資本業務提携を発表
・同社は15年12月11日に、デンソーとの資本業務提携を発表した。今後は各種画像処理技術の車載機器への応用により、電子ミラーなど車載機器分野で新たな事業展開と業績拡大が期待される。

◆投資に際しての留意点
・15/10期の決算が発表された翌日の12月12日に株価が急騰し、17日には7,110円の直近高値を付けた。株式市場の先行き不透明さもあり、株価は不安定な状況にあるものの、デンソーとの資本業務提携など将来的な事業拡大が期待されたことが背景と考えられる。
・一般的なバリュエーション指標で現在株価の評価は難しい。短期的には株価変動が激しいものの、同社の事業計画や成長性、今後の業績拡大の可能性等を勘案して、中長期の視点で評価できる有力な新興企業のひとつと当センターでは考えている。

 

  >>続きはこちら(1.29 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。