エスクローAJ<6093> 19 年 2 月期からの成長ステージでの飛躍に向けて現在着々と準備中

2015/12/24

「日本版エスクロー」の確立を目指す不動産取引のコーディネーター
19 年 2 月期からの成長ステージでの飛躍に向けて現在着々と準備中

業種:サービス業
アナリスト:藤野敬太

1.会社概要
・エスクロー・エージェント・ジャパン(以下、同社)は、不動産取引のワンストップサービス(「日本版エスクロー」)を目指すコーディネーターである。
・金融機関から業務を受託する BPO 事業と、専門家の業務遂行を支援するエスクローサービス事業により、ワンストップサービスを実現する。

2.財務面の分析
・09/2 期~15/2 期は、売上高は年平均 10.3%の成長率で拡大し、経常利益は同 17.5%のペースで成長した。
・他社との比較では、同社の安全性の高さは目立つ。一方、15/2 期が減益だったこともあり、収益性や成長性は特段優位とは言えない。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、不動産取引のワンパッケージ化を目指して現在のビジネスモデルを構築した現社長の存在と、不動産取引の業務に関するノウハウの長年の蓄積にある。それらをベースに、業務プロセスや、顧客や専門家とのネットワークを強固なものにしてきた。

4.経営戦略の分析
・同社は 19/2 期以降の成長ステージに向けて、16/2 期~18/2 期をその準備の期間と位置づけている。その 3 カ年の中で、取引に関連するBPO サービスの拡張、新しいエスクローサービスの開発、新規取引先の拡大という 3 つの戦略を掲げている。

5.アナリストの評価
・米国のエスクローサービスを参考にしながら、日本の商習慣に適した形に仕立てられたビジネスモデルには 10 年以上のノウハウの蓄積があり、他社が真似をするのは容易ではない。
・中期経営計画では、成長への準備期間である 16/2 期~18/2 期の 3 年間の営業利益の年平均成長率を 26%としているが、年ごとのばらつきが大きい。そのため、会社側と投資家の間で、投資期間と期待リターンのベクトルにずれが生じ、そのことが予想外の株価変動要因となりうる点に留意したい。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。