ALBERT<3906> 案件大型化に対応する体制構築が急務だが、先にある大きな需要の恩恵に期待
分析力を武器に、ビッグデータ分析基盤構築のためのシステムを提供
案件大型化に対応する体制構築が急務だが、先にある大きな需要の恩恵に期待
業種:情報・通信業
アナリスト:藤野敬太
1.会社概要
・ALBERT(アルベルト、以下、同社)は、長年蓄積してきたデータサイエンス分野での分析力を背景に、ビッグデータをマーケティングに活用するアナリティクス(分析)の分野で事業を展開している。
・顧客企業がビッグデータをマーケティング分野で活用する基盤を構築する際に、その構築のための「smarticA!DMP」というシステムを提供している。
2.財務面の分析
・09/12 期~14/12 期に売上高は年平均 41.1%の成長率で拡大した。経常利益は 11/12 期に黒字転換し、以降も増益基調にある。
・直接の競合先との比較では、規模が小さいこと以外は、財務指標の面では総じて優位にある。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、蓄積してきた分析力にある。この蓄積をベースに、システムとして製品に仕立てるだけの自前の開発力により、顧客へのサービス提供が実現できている。
4.経営戦略の分析
・同社は蓄積された分析力を競争力の源泉と位置づけ、さらに磨きをかけることにより、参入が相次ぐ中での競争に対応するとともに、他社との提携を進めている。
・業界全体としてプロジェクト規模が大型化し、直近の業績でも受注のリードタイムの長期化などの影響が顕在化している。プロジェクト管理面での大型案件への対応が課題となろう。
5.アナリストの評価
・参入が続く分野だが、分析力を競争力の源泉とする同社は基幹システムに近い部分の需要を取り込み、ビッグデータ市場の成長以上の恩恵に浴するポジションにあると考えられる。
・一方、プロジェクト規模の大型化に対応できる体制の構築は、業績変動リスクを抑制する観点からも急務である。